BackNumber
第1回 2003.10.3up
不安と期待のイギリスGP取材


第2回 2003.10.14up
F1はドライバーだけじゃない! がんばれ日本企業!


第3回 2003.10.20up
イギリスのクルマ事情


第4回 2003.12.16up
富士スピードウェイフィナーレ


第5回 2003.12.24up
F1カーがお台場を走る!!


第6回 2004.1.14up
Enjoy Honda MOTEGI 2003 前編


第7回 2004.3.2up
Enjoy Honda MOTEGI 2003 後編



ご感想はこちらまで



04.5.10 UPDATE


取材・文:内倉大治(編集部)

4月17日(土)、アメリカ最高峰のレース、IRL(インディ・レーシング・リーグ)の第3戦インディ・ジャパンが栃木県茂木町にあるツインリンクもてぎで開催されました。時速300km/h以上で繰り広げられる激しいバトル、誰が勝つか分からないスリリングなレース展開はF1に勝るとも劣らない迫力があります。そこで今回はインディ・ジャパンの模様をお伝えしたいと思います。


インディ・ジャパンってどういうレース!?

 IRL(インディ・レーシング・リーグ)とは、世界最大の自動車レース、“インディアナポリス500マイルレース(通称インディ500)”を筆頭とした全16戦で争われるアメリカ最高峰のフォーミュラカー・レースのことです。2003年よりトヨタとホンダがエンジン・サプライヤーとして参戦し、それに合わせ日本(ツインリンクもてぎ)でも開催されることになりました。
 そこでひとつ疑問をもたれる方も多いと思います。以前、開催していたCART(チャンピオンシップ・シリーズ)と一体何が違うのか? IRLもCARTも元をたどれば同じレースだったのですが、96年にインディアナポリス・スピードウェイのオーナーとCART主催者の対立が激化し、そして分裂。こうしてアメリカでは従来のCARTの他に、伝統のインディ500を中心としたオーバル(楕円形)コースのみで行うIRLの2つのトップフォーミュラカー・レースが誕生したというワケです。
 トヨタもホンダも、当初はCARTに参戦していましたが、01年、自動車メーカーの意向を無視した主催者の強引なエンジンのレギュレーション変更に反発し、両者は対立。結局、折り合いがつかずトヨタとホンダはCARTを離脱し、03年よりIRLに参戦を表明しました。これにより、CARTに参戦していたチームとドライバーはこぞってIRLへの参戦を表明。人気の面ではCARTに押されていたIRLですが、トヨタとホンダの参戦により立場が一気に逆転してしまいました。
 ちなみに現在CARTはワンメイクレースとして存在していますが、かつてのような勢いはなく、存続が危ぶまれています。



例え最後尾に落ちても勝つことができる!?

 IRLは、シャーシ(車体)はダラーラとGフォースの2社、エンジンはトヨタ、ホンダ、シボレーの3社、タイヤはファイアストンの1ブランド。厳しいレギュレーションのためマシンの差はほとんどありません。ですからドライバーの腕と、どれだけマシンセッティングを煮詰められるかがポイントとなります。しかし、それだけでは勝てないのがIRL。例えば、マシンがクラッシュしてしまうと、フルコースコーション(マシンの撤去が完了するまで、ペースカーが先導し、その間は追い越しができません)となります。この状態になるとこれまで築いたアドバンテージがなくなり、レースは振り出しに戻ります。ですから例え予選で振るわなかったとしても、作戦しだいでは十分挽回できるチャンスがあります。勝つドライバー、勝つチームが限らたF1とは違い、誰にでも勝つチャンス(03年は9人の勝者が誕生)があるのも、IRLの魅力といえますね。



もてぎで勝てないホンダ…

 CART時代を含め、過去6回ツインリンクもてぎでレースが行われていますが、ひとつジンクスがあります。それはホンダが一度も勝っていないということ…。CARTでは数々の勝利を納め、多くのタイトルを獲得してきたホンダですが、どういうわけかもてぎでは勝つことができません。
 そもそもツインリンクもてぎは、ホンダが手掛けたサーキットで、いわばホームコース。絶対勝たなければならないレースなのです。毎年、ホンダは必勝体制で臨むものの、勝利の女神は微笑んではくれず、98年〜2001年はフォード、ここ2年は一番負けたくないトヨタに勝利を奪われてしまうなど、勝てそうで勝てない、そんな歯がゆいレースが6年続いています。

ツインリンクもてぎの全景。名前の通り、オーバルコースとロードコースの2つからなる。オーバルコースは1.5マイル(2.414km)あり、インディカーは、1周約26秒で周回してしまう

03年チャンピオン、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ/トヨタ)のマシン。昨シーズン、トヨタは16戦中、12勝を挙げ、初参戦ながらマニファクチャー(エンジン)部門を制した

カーナンバー55は、ルーキー松浦孝亮のマシン。元F1ドライバー、鈴木亜久里氏率いるスーパーアグリ・フェルナンディスからエントリーしていることもあり、ピットでの注目度は1番だった

シボレーのエースチームとなるパンサー・レーシング(ドライバーはトーマス・シェクター)だが、今回は振るわず13位。ちなみにシボレー勢最上位はアレックス・バロン(チーバー)の12位

次戦インディ500では3000ccになるため今回のインディ・ジャパンで最後となる3500cc・V8エンジン。燃料はガソリンではなくメタノールが使用され、最高出力は670馬力以上を発生する

アクシデントやコース上に異物が発見されるとフルコースコーションとなり、ペースカーが出動し、マシンの撤去が終わるまで先導する。この状態になると、それまでのアドバンテージがなくなり、レースの流れを大きく左右する

2年目を向かえたインディ・ジャパンは昨年より多い7万6000人の入場者数を記録。晴天にも恵まれ、絶好の観戦日和となった。ちなみにIRLは雨の場合、レースは行わず、翌日に延期される





「スロウトレイン」に掲載の記事・写真・カット等の無断転載を禁じます。© Works m bros.