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不安と期待のイギリスGP取材


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F1はドライバーだけじゃない! がんばれ日本企業!


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03.12.24 UPDATE


取材・文:内倉大治(編集部)

去る10月5日(日)、昨年からF1に参戦しているトヨタが東京お台場、MEGAWEBでF1カーをデモ走行させました。F1カーが真近で見られるというだけあって、ひと目見ようと会場にはたくさんの人、人、人。今回は、ちょっと前の話で恐縮ですが、大盛況だった「F1日本GP直前イベント in MEGAWEB」の模様をお伝えしたいと思います。


F1を一目見ようとMEGAWEBは早朝から長蛇の列に!

 今年のイベントは、東京お台場にある「MEGAWEB(メガウェブ)」で行われました。MEGAWEBとはトヨタ自動車がプロデュースした“クルマの”テーマパークで、トヨタで販売している乗用車すべてが展示されています。ただ展示されているだけではなく、実際に触れてみることはもちろん、試乗することもできます。いわば大きな「ショールーム」ってとこですかね。ここには営業マンもいないので、「買わないけど、ちょっとあのクルマに乗ってみたい」という人にはオススメです。その他、レーシングカーやヒストリックカーも多数展示しているので、クルマ好きは一度行っておきたいスポットですね。
 さて、今年で2回目となるデモ走行ですが、F1カーをひと目観ようと今年もたくさん人が集まりました。このイベント自体、無料なのですが、1500枚限定の観戦チケットを求めるため、朝早くから並んでいた人もおり長蛇の列となっていました。ブームは過ぎたなんて言われているけど、F1への関心はまだまだ高いんですね。
 今回のイベントは「ドライバートークショー」と「F1カーデモ走行」の2部構成となっていました。トークショーには、今年のトヨタF1チームのドライバーであるオリビエ・パニス(フランス)、クリスチアーノ・ダ・マッタ(ブラジル)の他にトヨタ自動車モータースポーツ部の松井誠部長とF1カーの開発を指揮する高橋敬三ゼネラルマネージャーも参加し、日本GPに向けての意気込みや今シーズンについて、いろいろと語ってくれました。
 中でも一般ファンからの「好きな日本食は?」という質問に対し、パニスは「鉄板焼」。まぁこれは順当。ですがダ・マッタは「ふりかけご飯」とあまりにも意外な回答だった為、会場は笑いに包まれました。





未来のF1ドライバーがここに発見

 そしてお待ちかねのF1デモ走行! 1500枚のチケットはあっという間に配布終了となり、会場は超満員。残念ながら会場に入れなかった人も、なんとかF1カーを見ようとMEGAWEBの2階やら向こう岸やらに集まりすごいことになっていました。
 ちなみにこのF1カーのデモランはMEGAWEBにある試乗コースを使用した特設コースで行われたのですが、「こんなとこホントに走れるのかよ!」と思ってしまうほど狭く、驚いてしまいました。しかもマシンは、2003年モデルの“TF103(やるなトヨタ)”! クラッシュしなければいいけど…と、要らぬ心配をしてしまいました。もちろん日本GPで使用するモデルじゃないから、万が一の事があっても大丈夫だろうけど…。
 さぁいよいよF1カーのデモランだぁ! と期待に胸を膨らませていたのですが、その前にKART(ゴーカート)、フォーミュラ・トヨタ、F3のデモ走行を…。お楽しみは最後ということなのね。う〜んいぢわる!
 ちょっとここでレーシングカーについて説明しましょう。レーシングカーというのは大きく分けて、2つのタイプがあります。ひとつは、市販車をベースにした「ハコタイプ」、もうひとつは、レース専用につくられた「フォーミュラタイプ」です。このフォーミュラカーの筆頭がF1で、その下にF3000、さらに下にF3と様々なカテゴリーがあります。
 今回デモ走行したF3は、F3000より下のカテゴリーになるのですが、有望な若手ドライバーを発掘しようとF1チームがもっとも注目しているカテゴリーなんです。F3は世界各国で行われていますが、中でも日本、イギリス、ユーロ(フランス/ドイツ)は有望なドライバーが多いこともあり、ここで好成績を上げればF1への道が開けるともいわれ、F1への登竜門となっています。
 一方、フォーミュラ・トヨタはF3のさらに下に位置された入門的なカテゴリーとなります。トヨタの他にも、ホンダ、BMW、ルノー、オペルといった自動車メーカーも同様な方法で運営し、ドライバーの育成やモータースポーツ活動の発展に務めています。
 ちなみにフォーミュラ・トヨタのデモ走行を担当したのは小林可夢偉[カムイ](17歳)。今年同シリーズで、元F1ドライバー、中嶋悟氏の子息、中嶋一貴(18歳)と激しいチャンピオン争いを繰り広げた将来有望視されている若手ドライバーです。この恐るべく才能を秘めた日本人が、将来トヨタのF1ドライバーになる日が訪れるかもしれません。





ちょっと弾け過ぎだ!? アクシデントが発生したF1デモ走行

 マシンの調整も終わり、F1カーがいよいよコースイン。まず最初にドライブしたのはダ・マッタでした。シグナルがブルーに変わった瞬間、タイヤスモークを上げ、猛然と加速。甲高く、官能的なF1サウンドを奏でながら、あっという間に走り去ってしまいました。F1カーが走る姿を真近で見るのは初めてだったのですが、速さといい音といいあまりのすごさにド肝を抜かれました。戻ってきたダ・マッタはスピンターン(走りながら180°ターンすること)を決め、さらにもう一往復。最後はドーナツターン(マシンをクルクル回すこと)と大サービス。観客が大いに沸いたのは言うまでもありません。
 …が、ここでトラブルが発生! ダ・マッタのドーナツターンにより、エンジンの水温が予想以上に上昇してしまったのです。F1マシンというのは市販車とは違いとても繊細で、ちょっとしたことでも異常をきたしてしまうこともあります。マシンは直ちにピットに戻され、クールダウンを余儀なくされました。アラララ…。
 このアクシデントにより、パニスが走ったのは夕闇迫る午後4時15分。パニスがコースインをすると、「待ってました」とばかりに大声援が送られました。パニスもダ・マッタ同様スピンターンを華麗に決めてくれましたが、ドーナツターンはやってくれませんでした…残念(いくらデモ走行とはいえマシンを壊すわけにはいきませんもんね)。
 日本GPの行われるのは三重県の鈴鹿サーキットなので、東京からだと交通費等も掛かるし、金額も馬鹿になりません。ですからこういう機会を設けてくれたことはファンにとって、すごくうれしいことなのではないでしょうか? 来年もぜひやって欲しいものです。

オリビエ・パニス。1966年、フランス生まれ。94年からF1に参戦しているベテランドライバーでマシン開発には定評がある。アメリカGPでは予選3位を獲得するなど、その速さは衰えていない

クリスチアーノ・ダ・マッタ。1974年ブラジル生まれ。アメリカのトップレースとなるCARTでチャンピオンに輝き、今年からF1に参戦。イギリスGPでは一時トップを走るなど、大物の片鱗をみせてくれた

これが、トヨタのF1マシン・TF103。序盤はトラブルが多く結果を残すことができなかったが、中盤戦以降は信頼性が向上し、コンスタントに入賞するようになった。3000cc・V10エンジンが搭載され、最高出力は850馬力以上!

古くは故アイルトン・セナ、現F1チャンピオン・ミハエル・シューマッハ、来年B・A・Rから参戦する佐藤琢磨など、F3出身者のF1ドライバーは数多い。そのためF1への登竜門と呼ばれている。

日本初のワンメイク・フォーミュラレースとして91年に誕生したのがフォーミュラ・トヨタで高木虎之介も新人時代参戦していた。16歳から参戦できることもあり、入門レースとしても人気が高い

コース上をコマのようにクルクル回る“ドーナツ・ターン”を披露してくれたダ・マッタ。タイヤスモークで回りは真っ白になってしまったが、思いがけないパフォーマンスに観客は拍手喝采

最終戦日本GPではダ・マッタが7位、パニスは10位。残念ながら、目標であるコンストラクターズ(製造部門)5位を獲得することはできなかったが、随所で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。なおトヨタは来季もパニス&ダ・マッタのコンビで戦うことになっている




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