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| 黄色と黒の“GAEAカラー”をまとった伊東幸子レフェリー。彼女の足元にいるのは新人選手なので、カメラマンの邪魔はしていない。なのに、シャッターチャンスを逃しているカメラマンが一人、二人、三人…。 |
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数年前の『レディゴン』でこんなことを書いた。GAEAの新潟大会で、KAORUが山田敏代の顔面に毒霧を噴射。伊東レフェリーが3カウントを叩いてKAORUの勝利を告げた。試合写真を見ると、その瞬間を伊東さんは完璧に目撃している。普通なら「ノーフォール」と叫んでカウントを取らず、KAORUに注意を与えるところだ。その記事が誌面に載ったあと、伊東さんはより厳しくD−FIX(尾崎魔弓&KAORU)の反則を咎(とが)めるようになった。別に僕のおかげというわけではなく、当時、団体内でも議題に上ったのだろう。今、伊東幸子はファンの信望の厚いレフェリーの一人である。
条件の4番目“カメラのレンズを遮らない”は、再び京平さんのインタビューを引用して説明に代える。
「レフェリングの中で、カメラマンに写真を撮らせるような仕種も30分の試合だったら5回は見せてるんじゃないかな。雑誌や新聞に、闘ってる選手たちのベストショットが載るに越したことはないんだから。オレはもうシャッター音まで聞いてるからね」
大変申し訳ないが、「悪いレフェリー」の例は、個人名を出したほうがイメージを掴みやすいと思う。関係者にニラまれるのは慣れっこなので、個別に具体例を挙げさせてもらおう。いや、誰が悪いということではなく、各レフェリーの寸評をまとめてみるか。
ボブ矢沢……背が低く選手より目立たない。が、柔道経験者で堂々たるレフェリング。 両者ダウンを取ることがままあり、多用すると試合のリズムを止める。 笹崎勝己……お腹が出た厚みのある体格で、選手を隠す面積が大きい。 カメラマンを意識していない。 T・スゴー…いつも仏頂面で、楽しい試合にアドリブが利かない。 カメラマンを意識していない。 伊東幸子……反則のあとの「ノーフォール」は、TOMMY譲りの毅然とした態度。 スリムで邪魔にならない。 小林大輔……ちょっと弱々しいルックスながら、正統派のレフェリング? スリムで邪魔にならない。 TOMMY…若手への叱咤、反則行為への怒り、お笑い系のアドリブ、どれもプロ。 スリムで邪魔にならないし、カメラマンの位置をよく見ている。 たまに選手より目立ってしまうのは、不甲斐ない選手が悪いのか…。 J金子………シャツが短く、ヘソが出るのが気になる(下田美馬に注意されていた)。 カウント2で引っくり返ると、その音で「3」が入ったように聞こえる。 TVカメラは分からないが、雑誌のカメラは意識していない。 浅野G恵……スリムで邪魔にならないし、カメラの位置は気にするようにしている。 J金子と同じく、ヒラヒラしたシャツの裾が気になる。 時折、場外カウントのテンポが一定でなく間延びする。
8人が読んだら「好き勝手なこと書きやがって」と思うだろうが、それが僕のスタンスなので悪しからず。リングを囲む4面の観衆の一人として、また時にはエプロンサイドのカメラマンとしての、「この人、邪魔だな〜」という印象を正直に綴ったまで。
京平さんはこうも言っていた。
「村山(大値)にさあ、『お前はコーナーに居過ぎだ』って怒ったことがあるんだよ。でもあれって、女子プロさんを裁く時の癖だったんだね。動きの中になかなか入っていけないんだ。オレもマスターしてみたいなぁ、あの女子プロの動き」
ジャイアント馬場しかり、身長2メートルを超える選手たちを裁いてきた京平さんに新たな発見を与えたモモの動き。それを間近で見てきた女子プロのレフェリーたちは、レスラーの予測不可能な動きに対応し得る、精鋭揃いであってもおかしくない。
女子プロレスラーは男のプロレスラーより少ない特殊な職業だが、その数より少ないレフェリーもまた、自己研鑽を忘れぬ職人であるべきだ。せめて、一人しかいないカメラマンのシャッターチャンスを潰す真似はしないでね、○○さん。(記:5月27日) |
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