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第1回 「日本で唯一の“女子プロレス・ライター”参上!」
第2回 「きっかけは『週プロ』への投稿だった」
第3回 「涙が止まらなかった府川唯未引退試合」
第4回 「スペシャル・インタビュー with ライオネス飛鳥」
第5回 「若きスター選手・浜田文子退団に関する、僕の見解」
第6回 「スペシャル・インタビュー with 井上貴子(前編)」
第7回 「スペシャル・インタビュー with 井上貴子(後編)」
第8回 「『レディゴン』休刊!? どうなる女子プロレス・ライター」
第9回 「祝!『格闘はまり道』スタート 〜5・2ドーム極私的観戦記〜」
第10回 「『ガイア・ガールズ』のパンフに原稿を書いた」
第11回 「北条志乃×田中正明 〜数少ない「同業者」対談〜(前編)」
第12回 「北条志乃×田中正明 〜数少ない「同業者」対談〜(後編)」
第13回 「GAEA事務所に“軟禁”されちゃった(笑)」
第14回 「堀田祐美子がGAEAを襲った“一部始終”」
第15回 「『アイドル』と『女優の卵』が女子プロレスを救う!?(前編)〜HJPGの巻〜」
第16回 「『アイドル』と『女優の卵』が女子プロレスを救う!?(後編)〜アストレスの巻〜」
第17回 「10・20『興行戦争』を総括する、はずが…」
第18回 「『レディゴン』vol.74、出ました、売りました」
第19回 「『ガレージ』には女子プロの醍醐味が詰まってる!」
第20回 「同業者対談シリーズ第2弾・伊藤雅奈子編(前)」
第21回 「同業者対談シリーズ第2弾・伊藤雅奈子編(後)」
第22回 「7・5『Brat Pack Match』に行ってみた」
第23回 「スペシャル・インタビュー with AKINO 〜女子プロレスには“少年”がいる〜」
第24回 「ダリアンガールズを観た」



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2004.1.9 UPDATE


田中正明
text by Masaaki Tanaka




 新年早々、どうしようもないタイトルを付けてしまった。

 最近、ひどくモチベーションが低い。それは、年明け2日から『週刊ゴング』の仕事始めで疲れているわけでも、この原稿をパソコンで打つ合間にビールを飲んで酔っぱらっているせいでもない。

 2004年は僕の大きな転機になる。それも「女子プロレス・ライター」としてマイナス方向の。そんな予感がするのだ。なぜか。大きく二つ、予感の元がある。

 開けっぴろげに書くと、一つは僕の借金が年々より増えていることだ。2002年8月の交通事故により罰金25万円の支払いを科された僕は、一度は清算した某社のカードローンを利用して振込みを済ませた。また、2003年1月に買ったノートパソコンは、別の社からキャッシングした20ン万で一括払い。その後の執筆作業とデジカメ写真の整理に大いに役立っている。知人は「あの盗聴事件で、そのうち返さなくてよくなるんじゃないの?」などと気楽に言うが、僕は借りたものは真面目に返しますよ。できるだけ早めにね。そうそう、インディー団体のカメラマンをやっているY田M子さん。5年前に「お金がなくて家賃も払えない」という君に貸した7万円、早く返して!!

『週ゴン』は、新年第1弾の1003号より水曜発売となった。
 もう一つ、これが吉と出るか凶と出るか分からないファクターで、『週刊ゴング』が今年から毎週水曜発売となった。昨年までは日曜の試合を入れて月曜に校了、木曜発売という流れだったが、今後は日曜の試合は入らないだろう。男子のビッグマッチは速報扱いになるが、女子プロは可能性が低い。したがって女子だけを担当する僕や原記者は、日曜の夜に編集部で徹夜することもなく、思う存分飲み歩けるわけだ。

 ただし、飲み歩こうにもお金がない。それなのに借金してまで飲むからヤバイのだ。豪傑な編集者のように見えたら、そのイメージは間違っています。人と飲むなら情報交換もできるしストレスの発散にもなるが、僕は一人で焼鳥屋のカウンターに座り、漫画誌を見ながら黙々と飲むタイプ。今は買わなくなったが、20代半ばの頃は『週刊モーニング』の『クッキングパパ』を読むたびに、登場人物の家族愛に目頭が熱くなるという“泣き上戸”状態によく陥った。まあ、要するに暗いということです。ハイ。

 水曜発売の吉凶の判別が付かないのは、まだその態勢になって間がないから。試合ページが減るかも知れないし、逆に女子の企画ものが増えるかも知れない。そもそもこの進行のメリットが僕には理解できない。

 2003年は映画ライターとしての活動も始めたが、こちらはすぐに干されてしまい、生活の足しにはならなかった。自分が狭い殻の中でのみ生きられるヤドカリと改めて知り、ちょっとしたショックを受けたものだ。それを克服する努力もしないままに。

 というわけで、本籍・女子プロレスは半永久的に変わらないとしても、今年中に何らかの軌道修正ないし起爆剤は必要。そう痛感する。いやホントに、胸と胃が痛むよ…。

 僕に元気をくれるジャンルは、やはり女子プロレスしかない。ところがここ数年、試合を観て燃えることは年に数回あるかないかだ。理由は分かっている。どの選手もオリジナリティに欠け、攻防が似通っているせいだ。ラリアットとボム技の乱発。女子なのに長州力や天龍源一郎のコピーばかりで、しかも男子ほどの迫力はない。試合中にハッと思わせる動きをする選手は、極論すれば中西百重(フリー)と日向あずみ(JWP)の二人しかいない。この両者は人並み外れた敏捷性を持つ。彼女たちのスピード感、勢いこそが、今の「年老いた女子プロレス」に最も必要なものだ。あ、格別速くはないが、ハッとさせるという点では広田さくら(GAEA JAPAN)の名を加えてもいいだろう。彼女は中西や日向のストレートに対抗し得る、ナックルやパームボール、それこそドリームボール(©水島新司)のような変化球を無数に持っている。その飽くなき探究心は賞賛に値する。

中西百重 日向あずみ 広田さくら(右)


納見佳容引退特集の『レディース・ゴング』最新号。
 昨年の『レディース・ゴング』や『週刊ゴング』で僕の記事をチェックした方は、Hikaru(全日本女子プロレス)とお船(KAIENTAI−DOJO)に対する“プッシュ”をありありと感じただろう。僕はこの二人を女子プロレスの広告塔として利用したいと考えている。Hikaruは女性ファン向け、お船は子供や男性ファン向けの分かりやすいシンボルだと思う。誌面に大きく載ることで選手も雑誌を利用するわけだから、これは五分と五分の関係だ。彼女たちのレスラーとしての評価は高くないが、やる気とプロレス頭と喋りは買っている。だからこそ「人気は上昇中だけど、それに見合うよう実力も…」とのメッセージを、誌面で言外に込めたり直接言ってもきた。

 お船はGAEA11・30後楽園ホールのデビル雅美戦で、Hikaruは全女12・21川崎市体育館での前川久美子とのタッグ対決のあとに、それぞれ大粒の涙をこぼした。『レディゴン』vol.77の校了直後にHikaruの涙を見たことで、二つの事件は僕の中で完璧に対(つい)となり、お船との巻頭対談がベスト・タイミングだったことを確信できた。

デビル雅美に「出直して下さい」と言われたお船(GAEA11・30後楽園)。 Hikaruは前川久美子とのタッグ対決を終えて泣く(全女12・21川崎)。


 Hikaruは新年1月3日の開幕戦で、前村早紀に敗れて全日本シングルのベルトを失った。お船は1月18日の『Diamond!』(午後1時開始、バトルスフィア東京)において、中西百重との初シングルマッチを行なう。今年も二人の動向を付かず離れず見守っていきたい。

全女1・4後楽園の前川久美子VS高橋奈苗。二人の唇の突き出し方を見ても、力 が入ってる!
 と、1月2日に書き始めたこのコラムをもたもたと引き伸ばすうちに、なんと「燃える試合」を観てしまった! 1月4日、全女・後楽園ホール大会での前川久美子VS高橋奈苗戦だ。これまた『レディゴン』vol.77の渡辺智子インタビューを読んだ方ならお分かりだろう。9月に脱走したHikaruをバスの中で制裁した前川と、Hikaruをかばった奈苗の遺恨対決・第2ラウンドである。

 昨年10・5後楽園のタッグマッチで表面化した両者の不仲。その裏に何があったのかをナベちゃんの証言を得てグリグリとほじくり出したわけだが、その甲斐あって、3ヵ月も経ってからの遺恨決着戦が組まれた。試合は「これぞ全女!」と言えるガチガチの“女の喧嘩”を織り交ぜつつ、奈苗が必殺技のナナラッカ一発で前川をフォールする王道的プロレスを披露。マイク合戦も凄まじく、ついに奈苗が「お前なんか早く辞めちまえ!」と引退勧告を突きつけた。バックステージで奈苗を囲んだマスコミ(?)から、「前川選手との試合に発展性があると思いますか」とのトンチンカンな質問も飛び出したが、二人の敵対関係がリング上の抗争として明確になったのだから、今後も荒れる試合をすることは間違いない。血が騒ぐファイトをありがとう! 前川、奈苗…と言いたい。

 なんだか急にやる気が出てきた。数日後に原稿料が振り込まれるまで、財布の中には1,831円と残高1,000円ぐらいのパスネットしかないけれど、前川と奈苗からもらった“熱”でしばらくは動けそうだ。女子プロレスラー、団体関係者、プロレスマスコミ、そして『Slow Train』スタッフ並びに読者の皆様、今年もよろしくお願いします。(記:1月5日)

僕の全財産(負の資産含まず)。銀行に300円ぐらいあるけど、カードじゃ下ろ せない。


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