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第1回 「日本で唯一の“女子プロレス・ライター”参上!」
第2回 「きっかけは『週プロ』への投稿だった」
第3回 「涙が止まらなかった府川唯未引退試合」
第4回 「スペシャル・インタビュー with ライオネス飛鳥」
第5回 「若きスター選手・浜田文子退団に関する、僕の見解」
第6回 「スペシャル・インタビュー with 井上貴子(前編)」
第7回 「スペシャル・インタビュー with 井上貴子(後編)」
第8回 「『レディゴン』休刊!? どうなる女子プロレス・ライター」
第9回 「祝!『格闘はまり道』スタート 〜5・2ドーム極私的観戦記〜」
第10回 「『ガイア・ガールズ』のパンフに原稿を書いた」
第11回 「北条志乃×田中正明 〜数少ない「同業者」対談〜(前編)」
第12回 「北条志乃×田中正明 〜数少ない「同業者」対談〜(後編)」
第13回 「GAEA事務所に“軟禁”されちゃった(笑)」
第14回 「堀田祐美子がGAEAを襲った“一部始終”」
第15回 「『アイドル』と『女優の卵』が女子プロレスを救う!?(前編)〜HJPGの巻〜」
第16回 「『アイドル』と『女優の卵』が女子プロレスを救う!?(後編)〜アストレスの巻〜」
第17回 「10・20『興行戦争』を総括する、はずが…」
第18回 「『レディゴン』vol.74、出ました、売りました」
第19回 「『ガレージ』には女子プロの醍醐味が詰まってる!」
第20回 「同業者対談シリーズ第2弾・伊藤雅奈子編(前)」
第21回 「同業者対談シリーズ第2弾・伊藤雅奈子編(後)」
第22回 「7・5『Brat Pack Match』に行ってみた」
第23回 「スペシャル・インタビュー with AKINO 〜女子プロレスには“少年”がいる〜」



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2003.11.20 UPDATE


田中正明
text by Masaaki Tanaka





 11月の去る木曜日。東京・品川のクラブeX(エックス)に「ダリアンガールズ」を観に行った。ご存知ない方のために、会場入口で配られたチラシから抜き書きしよう。

「ダリアンガールズは、ホリプロが中国・大連で550名の中からオーディションし、選ばれた15名です。彼女達の平均年令は18歳、身長168センチ、1年数カ月に及び厳しい歌・踊り・そしてレスリングの訓練を経て、2003年秋、日本でスポーツエンターテイナーとしてデビュー!」

 …というものだ。その「レスリングの訓練」を、11月2日付けで全日本女子プロレスを退団し、現在はフリー選手である伊藤薫が遠く大連に渡って担当したことは、女子プロ・ファンなら周知の事実である。伊藤は公演中、試合のレフェリーを務める。ちなみに“ダリアン”とは大連の英語読みだ。

 レスリングと言っても五輪種目のアレではなくて、要は女子プロレス。ところが、情報誌を見るとダリアンガールズは「SPORTS」欄ではなく「EVENT」欄に載っている。まあ、そもそもプロレスがスポーツかという論議はさて置き、主催者サイドの売り方は明確に違うということだ。

 主催は大手芸能プロダクションのホリプロで、企画・制作はダン エンタープライズなるところ。ダンさんこと吉田斉氏は元フジテレビのディレクターで、全女に黄金時代を築いたマッハ文朱やビューティ・ペアを全国区に売り出した人物だ。女子プロレスと芸能をリンクさせ大ブームを巻き起こした方法論を、21世紀流にアレンジしたわけだ。

 10月からフジテレビで毎週土曜の深夜に10分ちょっとのレギュラー枠を確保。試合のダイジェストと、中国でヒットチャートを席巻中というオリジナル曲を流している。その番組を見た感想は、10月11日付けの「デンチュー取材日誌」にちょこっとだけ書いた。あ、そうそう。日誌はこの『Slow Train』の裏サイトに飛ばされました。未見の方は探してみて下さい。トップページに闇への入口が…。「田中さんの日記、なくなったんですか?」と問い合わせを頂いた東京都のタニー・マウスさん。まだあるのでご心配なく。

 さてさて。本題のダリアンガールズ観戦記へ。いや、観賞記か。

会場のクラブeX(エックス)。シネコンの品川プリンスシネマと同じ階にある。
 平日の午後6時開演とあって、場内にサラリーマンの姿はあまりなく、中年マダムのグループや母娘連れ、あるいは20代の女性ペアやカップルなどが目に付いた。あとはなぜか全女の関係者たちとバッタリ。氏家営業部長、今井広報、多田広報、笹崎レフェリー、ミスター・ブッタマン。肩を叩かれて振り向くと「ワッキーだよ」。2年前に引退した脇澤美穂だ。みんな伊藤薫に呼ばれたようだ。ほかにも『週刊プロレス』の河野記者がいた。河野氏はダリアンガールズを誌面で「黒船」と言い切った。伊藤のインタビューを見開き2ページで掲載し、この公演を最も推しているマスコミの一人、というかオンリーワンだろう。

 では見せてもらいましょう、その黒船を。

 オープニングは12名のガールズによるリング上でのダンス。そこにいない3名が、続く第1試合の選手とレフェリーだった。組み合わせはシュンエイVSセツレン、裁くはオウレイレイ。僕は事前に担当者の許可を取り、リングサイドでデジカメを構えた。

 試合について語る前に、ダンスを観て思ったこと。脇澤に会ったから言うわけではないが、全女のリングで「キッスの世界」が歌った時、気になったのが“板”の音だ。プロレスのリングは交差した鉄骨の上に堅い木の板を並べ、その上に体操用のマット、キャンバスを敷いている。ゆえに、飛び跳ねると板のバン、バンという音がする。

 12人でジャンプすれば、その音も大きくなる。これがバックに流れる曲との違和感を生じていた。ならば、いっそのこと『STOMP』のように、ストンピングの音を活かした振り付けにしてはどうか。タップ以上に力強く、ドンタッタ、ドンタッタ、とリズムを刻むのだ。舞台がリングであることをハンディとせず、最大限に利用すればいい。

このコがセツレン。会場のアンケートでも一番人気だそうな
 第1試合でいきなり、僕のお気に入りが決まった。グレーの衣装のセツレンだ。ショートカットの似合う横顔が、清楚な感じでいい。シュンエイのジャイアント・スイングで目を回して敗れたが、その貧血っぽいキャラクターが彼女の持ち味か? レフェリーは中国語で「イー、アル、サン」とマットを叩いた。僕は普通に聞き流したが、同行したゴング原記者に言わせれば、「日本のプロレスはイチ、ニ、サンとは言わない。やっぱりワン、ツー、スリーじゃないと」居心地が悪いそうだ。

 また、試合中はリングサイドの放送席でライブ解説が行なわれ、アナウンサーと知らない解説者が技の名前を連呼していた。「首ひっかけ」って…そりゃレスラー用語だよ。正しくは「ランニング・ネックブリーカー・ドロップ」でしょ。主催者サイドに技に詳しい人がいないせいか、先日見たTBSの『サンデー・ジャポン』でも、ダリアンガールズの得意技をいくつか間違った名前で紹介していた。某選手のロンダード・カンガルーキックを見て飯島愛が一言。「当たってないじゃん!」。

 第2試合はウナンVSイショウ。レフェリーは続けてオウレイレイが務める。二人のコスチュームは第1試合と同じく前者がピンク、後者がグレーを着用。髪型も前者がロング、後者がショートで、つまり“女役”と“男役”を意識した組分けがなされているのだ。このピンク=ロングVSグレー=ショートの構図は、全5試合中、メインのタッグマッチを除く4つのシングルマッチで徹底されていた。と、自分の撮った写真を見ながら、この原稿を書いていて気付いた次第。カメラを構えている時は、そんなこと考える余裕はないんでね。メモも取れないし。

 ウナンがラ・マヒストラルでイショウから3カウントを奪うと、舞台が暗転し、再びダンスのお時間。デニム調の衣装を着た3名がクネクネと身体を揺らす。



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