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2003.9.18 UPDATE

田中正明
text by Masaaki Tanaka


[はじめに]
アルシオンを吸収合併した新団体「メジャー女子プロレスAtoZ」が、7月25日、神奈川・川崎市体育館で旗揚げ戦を行なった。そのメインイベント、堀田祐美子
VS AKINOは、両者の気迫がぶつかり合った激闘の末、堀田が顔面キックでTKO勝ちを収めた。一度は立ち上がろうとしたAKINOがダウンカウント「9」で再び倒れたのを見て、TOMMYレフェリーが試合を止めたのだ。
あのフィニッシュ・シーンさえなければ、僕が選ぶ今年のベストバウトはほぼ確定していた。そもそも「3」カウントで決着のつくプロレスで、どうして「10」カウントを待つのか僕には理解できない。堀田がニュートラル・コーナーに下がった瞬間、それまで熱く盛り上がっていた観衆のトーンが一気に下がった。TOMMYのカウントもAKINOが立つのを待っているかのような遅いもので、試合のテンポを壊した。あそこで堀田がKOを狙わずフォールに入っていれば、最終的にどちらが勝ったにせよ、興奮の度合いは持続したはずだ。
堀田は「もっと戦いたかったからアイツが立つのを待った。それだけAKINOのことを認めたんだよ」と僕に語った。AKINOは「(堀田は)あの場から動きたくなかったんでしょう。これで終わってくれ、みたいな」と、『週刊プロレス』誌のインタビューで敵の胸中を測った。真実がどうあれ負けたのはAKINOの方だ。僕はAKINOに勝ってほしかった。勝って「AtoZのエースは自分だ」と、満天下に宣してほしかった。試合内容が良く、その言葉を発しても十分な説得力があっただけに、敗戦は残念だ。
なぜ僕がAKINOの勝利を望んだか。それは、この新団体がAKINOのために創られたと思っているからだ。AKINOもそのことを自覚している。証としての旗揚げ戦メインでの勝利は、AtoZ堀田社長が掲げるテーマ「革命なくして未来なし」を体現する、忘れじの名場面となっただろう。僕は“公平なマスコミ”ではない。選手の好き嫌いはあるし、周囲から「田中君は堀田番でしょ」などと言われようとも、この団体では断じてAKINOを応援する。それに続く若い選手たちも。堀田率いる「Z−SPIRITS」か、旧アルシオン勢の「チーム・アルシオン」かを問わず。
まあでも、負けちゃったもんはしょうがないよねぇ…。僕はデビュー前の“世界一ナマイキな新人”時代からAKINOを取材している。これからも頑張る彼女を支援したい。そこで、当サイトへの登場と相成った。
さて。今「彼女」と書いたが、AKINOのルックスは見るからに男の子っぽい。女子プロレスに詳しくない人なら、トップページの写真で「誰だ、この金髪の少年は?」との印象を抱いたのではなかろうか。
女子プロレスには少年がいる。これは僕の持論である。「いる」はもちろん「居る」であり、実は「要る」でもある。その説明はインタビューの中で。
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