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第1回 「日本で唯一の“女子プロレス・ライター”参上!」
第2回 「きっかけは『週プロ』への投稿だった」
第3回 「涙が止まらなかった府川唯未引退試合」
第4回 「スペシャル・インタビュー with ライオネス飛鳥」
第5回 「若きスター選手・浜田文子退団に関する、僕の見解」
第6回 「スペシャル・インタビュー with 井上貴子(前編)」
第7回 「スペシャル・インタビュー with 井上貴子(後編)」
第8回 「『レディゴン』休刊!? どうなる女子プロレス・ライター」
第9回 「祝!『格闘はまり道』スタート 〜5・2ドーム極私的観戦記〜」
第10回 「『ガイア・ガールズ』のパンフに原稿を書いた」
第11回 「北条志乃×田中正明 〜数少ない「同業者」対談〜(前編)」
第12回 「北条志乃×田中正明 〜数少ない「同業者」対談〜(後編)」
第13回 「GAEA事務所に“軟禁”されちゃった(笑)」
第14回 「堀田祐美子がGAEAを襲った“一部始終”」
第15回 「『アイドル』と『女優の卵』が女子プロレスを救う!?(前編)〜HJPGの巻〜」

2002.10.21 UPDATE

デンチューの取材日誌(2002年9月16日〜9月30日)

日付
行動
●9月16日(月=休)
昨日に続き、NEOの東京・新宿アイランドホ−ル大会へ。初日は“ホリプロ効果”で超満員札止めだったが、本日もまずまずの入りだ。目玉は、19歳アイドルにたぶらかされた甲田哲也社長を、花の30歳・石田亜矢子リングアナが制裁するタッグマッチ。甲田氏には仲村由佳、石田さんには椎名由香がパートナーとして付き試合を成立させた。とは言え、ほとんど石田さんの独り舞台で、トドメは甲田社長に馬乗りになってのアイアンクロー。そのままカウント3が数えられ石田組が勝利した。僕は記者兼カメラマンとして取材に来たため、リングサイドで写真を撮りながら大いに笑わせてもらった。素人がリングに上がることには否定派だったのに…。5月のHJPG(久志麻理奈&西田夏)とロッシー小川氏のおかげですっかり免疫ができてしまった。考え方が柔軟になったのか、それともポリシーを曲げたのか。ムムム。どっちでもいいや。
●9月17日(火)
『ゴング格闘技』の校正を見る。エリオ・グレイシーのインタビューが特に面白かった。キャラ立ち過ぎだよ、おじいちゃん。たまには女子プロの爆笑企画もやりたいが、『週刊ゴング』ではページが取れないだろう。そろそろ動き出さないと。これ以上、怠け癖が付いたらヤバイ。
●9月18日(水)
昨日から泊まりで『ゴン格』の校正。毎号綱渡りだなぁ、この雑誌は。
●9月19日(木)
NEOのペ−ジをレイアウトに出す。2連戦のうち、夏ちゃんの試合を一番大きな扱いとした(当然でしょ)。困るのは、夏ちゃんの技の写真を大きく使うとタニー・マウスも大きく載ってしまう、という点だ。次回からはコブラツイストではなく“拷問コブラ”で相手の顔を下に向けるよう、夏ちゃんにアドバイスしたい。
●9月20日(金)
編集部で仮眠して、ちょっとでも寝癖が付くようになったら「そろそろ散髪しなきゃ」と思う。ノン整髪料、ノンドライヤー。洗っても手櫛で間に合う短髪が好きだ。染めたことも脱色したこともない。僕にはシャレっ気というものが全くないのだ。これには二つの理由がある。一つは、周りにそういう影響を与えてくれる友人がいなかったこと。もう一つは、流行を追うことにお金を費やすという発想がないせいだ。たまごっちが流行った時には、同世代の大人が、なぜそんなものを3つも4つも集めて喜ぶのか不思議でならなかった。…この話、これ以上展開しないや。おしまい。さて、散髪後に新宿ピカデリーで『インソムニア』を観た。名優アル・パチーノの演技を楽しむ映画で、僕には可もなく不可もなし。ボウリングで暇を潰し、ハイスコア193を出したあと前夜祭オールナイトの『サイン』を歌舞伎町で観る。う〜ん。悪くはないけど、20年前の作品じゃないの、これ。子供の頃に深夜のTVで見たらトラウマになってたかも。もっと語りたくなる映画はないのだろうか。やっぱり単館系に行かなきゃ無理かな。
●9月21日(土)
ジョナサンで前回の日誌を一気にワープロで打つ。夜7時半から翌朝の4時半まで、オーダーを追加しながら9時間も居続けた。昼休みを挟んで9時から6時までの会社勤務と変わらない計算になる。ウェイトレスの一人は僕の顔を覚えてくれて、入店の際に「禁煙席でよろしかったでしょうか」と聞いてくれるようになった。これならいちいち「禁煙で」とも「吸わないです」とも言わずに、目を見て頷くだけで済むからありがたい。マニュアル通りじゃない、一歩進んだサービスができるバイト君って、なかなかいないよね。
●9月22日(日)
先週の日曜日と同じく、とある事情でGAEAの大会(後楽園ホール!)を取材できないため、裏の全女ガレージマッチにネタを拾いに行く。これがイベントとして実に面白かった。ファンには恒例となった全女事務所駐車場でのミニ興行だが、僕は初めての観戦。日曜にはどこかの団体が必ずと言っていいほどバッティングするので、これまでガレージに行く機会がなかったのだ。第1部はJd’のファング鈴木が仕切るトークショー。ゲストに納見佳容を迎え、ファングはちゃっかり10・20川崎の「オール・パシフィック王座決定トーナメント」への出場をアピールした(後日、正式に決定)。納見もそのトーナメントでの必勝を期して全日本シングルのベルトを返上。全女は選手数に対してベルトが多過ぎるので、全日本は封印してもいいと思うのだが。第2部では3試合が行なわれ、NEOの元気美佐恵が10月からのタッグリーグ出場を狙って乱入するなど、予想以上にニュースがあった。余計なことをしてくれたのが今井リングアナ。休憩中のインフォメーションコーナーで「今日は取材に来たのは『ゴング』さんだけですね。GAEAを出入り禁止になった田中記者(笑)」だって。これには一部のファンが爆笑していた。正確には出入り禁止じゃなくて「自粛」なんだけど。ファンのH氏から「田中さんは、あんなにGAEAのことを良く書いてきたのに。大変ですね」と声を掛けられた。まあ、どうしても観たい大会があれば、堀田祐美子のように自腹でチケットを買ってもいいと思っている。今はまだ、そこまでする必要がないということだ。編集部に戻って原記者と交渉し、「女子プロレス FREE TIME」という囲み記事でガレージマッチを報じることにした。GAEAのカラー見開きと比べたら原稿料は5〜6分の1。もちろんその分、作業は楽だ。たまには書き応えのあるインタビューや座談会をやりたいなぁ。1VS5とか?
●9月23日(月=祝)
K−Jd’の東京・後楽園ホール大会へ。メインは卯木基雄代表の復帰を賭けた、ザ・ブラディーVS阿部幸江のLSD2002マッチだ。2002秒(33分22秒)の間に、より多くフォールまたはギブアップを奪った方が勝ち、という特別ルール。阿部ちゃんは後半、ヨレヨレになりながらもラ・マヒストラルをこれでもかと連発し、7−5で宿敵ブラディーに初めて勝つことができた。卯木代表は晴れて元の椅子に。K−BLOODの支配下にあった団体は「K−」の文字が取れてJd’に戻った。その辺りの抗争劇は僕にはどうでも良かったが、阿部ちゃんがメインイベンターとして観客を満足させた光景に、素直に感動した。GAEA、全女に次ぐ「第3世界」を謳っているのはアルシオンだ。しかし、現時点ではJd’の方がその名にふさわしい気がする。団体独自のカラーを明確に打ち出し、ファンの厚い支持を受けている、という面においては。
●9月24日(火)
午後4時から全女の道場で記者会見があった。10月20日、神奈川・川崎市体育館大会の全カードが発表されたのだ。僕が一番ウケたのは、オープニングマッチを務める2代目ブリザードYukiの誕生である。新日本プロレスのヒート並みに喋ると正体バレバレのマスクウーマンなのだが、ロッシー小川氏が用意した初代(長谷川咲恵)のマスクがよく似合う! 2代目のマスクはこれから作るようで、どんなデザインになるか楽しみだ。全女の松永高司会長が風邪による体調不良とのことで、小川さんがタイトルマッチの調印を代行した。「5年前に飛び出した会社で、こういうことができるとは思わなかったよ」と、小川さんは感慨深げだった。
●9月25日(水)
飯田橋の「ちゃんこ かぶき」で、お馴染みフリーライターの伊藤雅奈子さん、同じくフリーで『ゴング格闘技』の“桜庭番”である茂田浩司氏と3人で飲む。茂田さんが僕の日誌を読んでくれて、「今度『かぶき』に行きましょうよ」と声を掛けてくれたことから、この初顔合わせが実現した。桜庭番ということは『ゴン格』のメインライターと言っても差し支えないだろう。氏は僕も知っている編集プロダクションの出身で、共に宮地編集長の影響下にある者として、思った通りとてもウマが合った。初対面だった伊藤さんも「この人はデキる」と直感したようで、閉店まで5時間も語り合ってしまった。「このあと家に帰って校正を見ます」と言っていた多忙な茂田さん。そこまで付き合わせちゃってごめんなさい。僕ら女子プロレス・ライター、めっちゃ暇なんですぅ(え、オレだけ?)。
●9月26日(木)
目が覚めたら、二日酔いで頭痛がひどく起き上がれなかった。昨夜は楽しい酒が飲めて、自分の水割りを濃く作り過ぎてしまったようだ。しかし、今夜はお通夜があり、寝てはいられない。僕が在籍した頃に全女の社長に就任した、松永俊国氏(22日永眠)の葬儀が執り行なわれるのだ。葬式に出るのはおよそ10年ぶりなので、礼服を買わなければ…。俊国氏は松永兄弟の末っ子で、一番のやり手と言うか、ビジネスには厳しい人だった。事務所で「クビだ、クビだ、クビだ、クビだ、クビだ〜!!」と怒鳴られたことも、今ではいい思い出だ。白山通りの「紳士服のコナカ」が改装セールを行なっていたので、スーツから黒ネクタイまで一式揃えて編集部で着替える。午後6時、原記者と一緒に目黒区の円融寺に着いた。真っ先にお焼香を済ませて外に出ると、GAEAの木村社長、長与千種、山田敏代、そしてアジャ・コング、豊田真奈美の姿があった。「これも故人の引き合わせ。じっくり話をしよう」という思いと、「こんなところで仕事の話を持ち出しても」という思いが重なる。ああ、めんどくさい。結局、「お疲れ様です」と挨拶だけ交わしてバス停に向かった。
●9月27日(金)
NEOの東京・板橋産文ホール大会へ。空席がチラホラ見えたのは、15、16日の新宿2連戦が同団体にとっては山だったため、今回の興行は谷間ということなのだろう。西田夏が「家族旅行」、菜代ゆきが「修学旅行」でお休み。夏ちゃんは永田マネジャーとスクリーンに登場しただけだった。HJPGがいない産文はやけに淋しく、期せずして僕の“ホリプロLOVE”が証明された。やっぱり夏ちゃんの華は、今の女子プロレス界に必要なのだ。NEOには仲村由佳、松尾永遠(はるか)というアイドルレスラーがいるが、彼女たちは明るいオーラを発していない。仲村は浜田文子と同じH10年8月にデビューした。文子にはオーラがある。その差を血のせいだけにしていいものだろうか。こんなことを書くと、甲田社長に「また批判して頂きまして」とかなんとか言われそう。甲田氏は自分からは何も言ってこないけど、こっちから話を振ると、この手の記述を細かくチェックしているのが分かる。批判じゃなくて批評なんだけどなぁ。仲村がオーラをまとうには、一にも二にもレスラーとしての実力を付けるしかない。松尾も同じく。素人っぽいのが売りならオモテはそれでもいいけど、実力のウラ打ちがなければ「思いっきり、楽しい」試合はできないよ。それと、仲村には安易なダイビング・フットスタンプの使用はやめてもらいたい。伊藤薫はもはや芸の粋に達しているから良しとするが、無策ゆえに相手のお腹に全体重を乗せて飛び降りる行為は、観ていて気持ちのいいものではない。君たちは女子なのだから。…こういうのが、批判。バックナンバーを読まなきゃ思い出せないけど、やっぱりいっぱい批判してるかも(笑)。
●9月28日(土)
夜。友人の部屋へ遊びに行き、腹が減ったので近所のすし屋で飲むことに。回らないすしは久しぶりだ。二人でバクバク食べると勘定が跳ね上がりそうなので、僕が先にセーブしてしまった。この貧乏人め! そのまま一泊させてもらう。
●9月29日(日)
朝、起きたらのどが痛い。風邪か。こんな時は「龍角散のど飴」に限る。友人宅を出てから早速、コンビニで買った。午後はラス・カチョーラス・オリエンタレス(下田美馬&三田英津子)の自主興行『We Love ラスカチョ』を取材する。全女の選手とGAEA系フリー(「元全」のアジャ&豊田や、浜田文子)がニアミスする画期的な大会で、遠藤紗矢引退セレモニーの際、全女の今井リングアナがアジャにマイクを向けている光景には「おおっ」と唸った(笑)。下田と三田が関係各所に「頭を下げて」実現した手弁当の興行であり、二人には心地好い充実感が残ったのではないか。入場者全員に携帯ストラップを配るなどファンサービスにも気を遣っていた。ただ一点、マスコミの立場としては不満が残った。僕が早めに会場入りすると、プレスルームが用意されていなかった。廊下でもどこでもいい。せめてバッグを置くスペースがなければ、カメラマンは機材の準備ができない。マスコミ受付の担当者に話して、まだ開放していない試合後のパーティー会場に荷物を置いた。それと、記者に配るパンフレットが1冊も用意されていなかった。各社に情報を掲載してもらったからこそチケットも売れたはずだ。我々はコレクションのためにパンフが欲しいのではない。そこにある解説が資料として手っ取り早いから必要なのだ。スタッフとの交渉むなしく、原記者は1500円を払って薄いパンフを買った。ラスカチョは「これが最初で最後」と言うから、あえてクレームは付けなかったが、ほかに自主興行の予定のある選手や関係者がこれを読んでいたら、他山の石としてほしい。
●9月30日(月)
編集部で仮眠して目覚めたら、昨日よりも、のどの痛みが増していた。ツバを飲み込むのも一苦労。似たような症状に苦しんだという知り合いの編集者は、「扁桃腺の激痛で入院し、毎日点滴。1日の遅れが入院になりますよ」と忠告してくれた。それは怖い。何がって出費が。何としても入院するまいと、薬局で病状を説明したら漢方を勧められた。迷わず買う。夜はKAIENTAI DOJOの東京・後楽園ホール大会へ。浜田文子VSお船のシングルマッチは、お船ちゃんの軽さばかりがクローズアップされる結果となった。キャラクターは満点だけれど、この娘が全女で20分戦えるかな? という僕の疑問は、その前に文子の手によって「NO」の答えが出されてしまった。お船ちゃんの逆水平チョップの連発は、尊敬する小橋健太へのオマージュだろう。だが、今の細腕ではギャグにしかなっていない。早く女の子からレスラーの身体になることだ。一流になりたければ。収穫は、アップルみゆきの得意技「リンゴの木」(元祖パロ・スペシャル)の謎が解けたこと。アップルに聞いたところ、相手にBTボムをやられそうになって、もがくうちにこの技ができたそうだ。その時、「あ、この形は…」と、ある専門誌の記事を思い出した。僕が『レディゴン』に書いた技コラムである。やっぱりアップルは読んでいた! 現在『プレイボーイ』に連載中の『キン肉マンII世』でも、この技が「OLAP」(パロの綴りを逆にしたもの)として登場。ケビンマスクが超人オリンピックで優勝を飾る原動力となった。それもコラムを通じた、ゆでたまご嶋田先生と僕の再会がなければ実現しなかったストーリーだ。また技コラムが書きたくなってきたよ。風邪の進行を防ぐため、我が身をカプセルホテルに隔離することにした。サウナでたっぷり悪い汗をかき、ビール(良薬口に苦し)と漢方薬を飲んで寝る。明日の朝、悪化していなければいいが…。

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