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2008年01月 アーカイブ

2008年01月17日

take 10 スチル“P.S I love you”

篠田昇と杉山芳明との友情関係はお互いの距離間を保ちつつ、30年以上継続していた。
だが、この間同じカメラマンであったにも関わらず、ムービーとスチルとの違いによって、共同の仕事をすることはなかった。
「やっぱし、何かの縁なんだろうな。
(映画)「世界の中心で、愛をさけぶ」のビジュアル本の話が小学館から来たのよ、本編の撮影はもう始まっていたんだけれど。まさか行定(勲)が監督で、篠田が撮影なんて思ってなかったから、おれは映画のスチルマンとしては遠慮しようと、うちのアシスタントの井上(貴之)を入れたんだ。でも(スタッフ・リストを)よく見ると篠田の名前があるじゃない、こりゃ行かんとやばいと思って、四国(撮影現場)へすぐ飛んでいったんだ。
あの作品があいつの遺作になっちゃったんだけれど、そのビジュアル本がおれとあいつの初めてのセッションだったんだよ。こんなことって、あるんだよな。おれとあいつの最初で最後のコラボだよ。
でもおれは4日間しか現場には行かなかったので、あんまり撮ってないんだ。大方あいつのフィルムでプリントしてる」

また昇のスチル撮影について、かつて昇の撮影助手を経験した根岸憲一は、こんなことを語っていた。
「ライカとかのカメラでスロー・シャッターで撮るじゃないですか。普通(手持ち撮影の限界は)1/16くらいまでなんですが、篠田さんだと1/8も止めちゃう。呼吸もあるんでしょうが、集中力と腕の力は並外れていましたね」

今回の取材をした人々の話の中にも、篠田の映画での武勇伝に、この力技が数多く登場してくる。
そろそろ、そこらあたりに触れていきたいと考えている。


取材協力:篠田いづみ

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