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2006年11月24日

「コワイ女」小林裕子インタビュー

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鬼才(奇才?)監督たちによるオムニバス・ホラー「コワイ女」。その中でも第1エピソードの「カタカタ」は、強烈な恐怖をゴリゴリ押しつけてくるようなジェットコースターホラーである。
とにかくこの「カタカタ」、中越典子扮するヒロインを追い詰めていく“異形の女”がモーレツに怖い! その動き、表情というか形相(ギョウソウ)、存在感、まさに目をつぶれば思い出してしまう、悪夢級のモノなのだ。その“異形の女(カタカタ)”を怪演した女性、小林裕子さん、じつは麿赤児率いる舞踏集団<大駱駝艦>に所属するダンサー。そしてなんと、夏には後楽園の夜のお化け屋敷で幽霊役としてすでに7年ほど出演している。身体表現のベテランでもある小林さんに恐怖演技の妙味、愉しみを語ってもらった。






<profile>
麿赤児率いる<大駱駝鑑>に所属し、2004年には初演出作品「リンカ」で振鋳(振付)を務める。舞台以外にホラーゲーム「サイレン」シリーズのモーションキャプチャーや映画『チェーン』(2003)にも出演。2007年5月には振鋳・鋳態として、吉祥寺シアターにて3年ぶりに新作を発表

取材・撮影・文/curio



ホラーにありがちな動きはダメ
何がなんだかわらかない動きだから怖い


-今回の異形の女・カタカタの演技にあたり、撮影前にリハーサルというか練習を行ったと聞きましたが

そうですね、撮影の10日前に、2・3日ほど監督やスタッフの方と練習をしました。そこでカタカタはどんな感じの動きをするのか、というのを詰めていきました。事前に絵コンテを渡されていたので、キャラクターのイメージを作ったりして。まぁその絵コンテはCGを含んだものだったので、身体が伸びたり縮んだりしていて「こんなの出来ないよ」と笑ってはいましたけど。雨宮監督のなかでカタカタに対するイメージ像があって、そこを話し合いながら作っていくという感じでした。練習をして、その風景をビデオで撮っていて、それを見て、打ち合わせをして、また練習をして…それを繰り返しました。


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-舞台やお化け屋敷とは違う、映画ならではの難しさとかはありましたか

難しさは……ありましたね。やはりカメラのフレームに収まらないといけない。だからMAX値までいきたい!という気持ちを抑えながらの演技になるので、そのあたりが難しかったです。監督もすぐに私が暴れるタイプだって察知したらしく、私が暴走すると「オーイ、行き過ぎだぞぉ、帰ってこーい」「あ、すいません、すいません」みたいな感じでしたね。枠の中に収まらないといけないし、収まっていると小じんまりしてしまう。そのバランスをつかむのに時間がかかりました。

-雨宮監督のカタカタ像と小林さんのカタカタ像、最初はイメージのズレとか無かったんですか

監督のなかで、見たことがあるものはやりたくない、という想いがあったと思います。だから、ホラーでありがちな動きをやるとダメ(と、首をカクカクする動きをしてくれる)。いろいろ試しながら「あり」「無し」を決めていきましたね。「カタカタはこういう動きだ」というのを決めてもらえればわたし的にも楽なんですけど、イメージを創っていく過程で、もっと崩して、決めないで、といわれ続けました。そうやって変化し続けていって、何がなんだかわらかない動きになるから怖いのであって、それがカタカタなんだって。そうやって創った動きのはずなんですけど、本番のときは全然、違う動きをしてましたね(笑)。監督もとくに、ダメって言わなかったですよ。

-身体的にとくに気を使ったのは

手の動きをとくに細やかにしてほしいといわれました。指や手だけの動きではなく、こう身体の内側から絞りだしていくような感じで(とコチラに迫ってくる腕の動きをしてくれる。特別動画は一番下↓)。あと、顔にしてもMAX値の表情だけでなく、そこに至るまでの過程も大切だといわれました。監督はやはりSFXアクションをたくさん撮られている方なので、ディレクションが的確で明解。内面的なイメージも伝えてくれますし、CGを加えてからの具体的な映像なども教えてくれるので、こちらとしても演技をしやすかったです。


CGも加わったカタカタに感動
あの動きをCG無しで自分(の身体)で演じてみたい!


-いよいよ撮影に臨むわけですが、本番はどうでした?
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やはり衣装を着て、メイクもして、現場の美術とかを見ると気分は高まってくる。とくに中越さんの怖がっている表情を見るとノッてきますよね。動き自体はとくに問題はなかったと思いますが、相変わらず、フレームを外れてNG出してましたけど(笑)。あと市街地での撮影もあったので、それは新鮮でした。屋内だとグッと入っていく感じなのですが、屋外だとバっと発散するような感じ。真夜中の電柱の側に立って追いかけるシーンでは、ノリすぎて「ワァ~!!!」と叫んでしまって「はい、テンションはいいけど、声ナシでお願いします、夜中なので」といわれてしまいました(笑)



-現場の難しさは?

長丁場なので集中力が持続できないこと。夜遅くなってくると、ぱっとすぐにはMAXにもっていけなくて、そうすると監督も目とかでわかるらしく撮り直しになる。本気モードになるまで待っててもらって。そのon/offの切替が大変でした。舞台だと出ていないときでもずっとつながっているという感じなのですが。でも逆に映画だと自分がどうしても納得できないときはやり直しが出来る。舞台はその一瞬一瞬が勝負。そういうアプローチ方法が違うので勉強になりました


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-撮影自体を楽しめたようですね

そうですね、なかでもメイクしてもらえたのが嬉しかったです。カタカタのメイクは数タイプあって、その最高に怖いメイクをされた自分がすごく好きだったんです。自分で撮って待ち受け画面にしたりしてました。その姿でウロウロしたりして。やっぱりここまでしてもらえることってめったにないので


-完成した作品を見て、自分の動きはどうでしたか?

編集であったり、CGであったり、そういう撮影時から後の作業がすごく効果的で、物語や怖さに緩急を生み出している。やっぱり映画だなぁ、おもしろいなぁと思いました。CGとミックスされるとカタカタの動きがさらに不可解になっていて、いい感じだなぁと。ああいう動きがCG無しで出来れば最高なんですけど

-なにか話を聞いていると、そういう異形なるものへの憧れがあるような

確かに(笑)。本当は人でないものになっていきたいという願望があるのかもしれません。実際、私のなかでは、この作品の結末に登場する(最高に怖い)カタカタでさえ、進化の過程だと思っているんですよ。もっともっと怖い“何か”に変化していく途中だと。そのときは人の形すらしてなくて…、そう、それをやっぱりCG無しで表現してみたい。そのあたりは見果てぬ夢なんですけどね(笑)




★EDITOR'S VOICE★
~小林裕子さんのインタビュー裏話!~
ホラー女優ならではの裏話を聞けましたので、ご披露。

①幽霊屋敷で、幽霊役の人たちは「今日何人飛ばせたか?」を競い合っているとか。人が本当に驚くと、キャー!と叫ぶのではなく、後ろにふっ飛ぶらしい。もちろん小林さんのヒット数は高い。

②ロケ現場には中越典子さんのサインを待つ子供たちが控え室などに集まっていた。そこへ超メイクな小林さんがカタカタよろしくのノリで登場。ギャー!の絶叫がこだました。


現在は、大駱駝鑑の「天体のズー」(2006.11/22~26・大駱駝艦・壺中天)で音響オペレターを担当。スタッフとしての舞台のかかわり方も「勉強になる」と意欲的。もちろん、今回の映画体験も「自身の公演にも何らかの形で生かせれば」。
「今は何でも勉強になるし、それを次に生かすよう心がけているので何でも楽しい」と話す小林さんの、身体表現へのあくなき探求はまだまだ続きそうである。



katakata-6.jpg「コワイ女」
11/25(土)~ シネマート六本木、シネマート心斎橋にて公開

■STORY:
OLの加奈子(中越典子)は、婚約者・田崎(豊原功補)と分かれた帰り道“カタカタ”という奇妙な音を耳にする。その直後、マンションの上から落ちてきた“何か”にぶつかり気を失ってしまう。帰宅後、田崎から彼の元妻に刺されたとの連絡をもらう加奈子。そのとき、振り返ると包丁をもった、赤いワンピースの女(小林裕子)が立っていた…。

オフィシャルサイト>>

(C)2006「コワイ女」製作委員会


特別映像>>ウニウニ





投稿者 tkurio : 2006年11月24日 | コメント (0)