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第12回:空前の韓国映画ブーム、いつまで続く!?
第11回:アイドル映画らしい“アイドル映画”って何!?
第10回:ジャンルとして生き残りをかける海洋映画
第9回:私たちが敬愛するクリント・イーストウッド!
第8回:ハリウッド製チャンバラ映画の席巻に日本映画危うし!?
第7回:“ラブコメ”、“ロマコメ”じゃない 「しゃれた」ソフィスティケート・コメディは難しい!?
第6回:フェリーニ、ドライヤー、イオセリアーニ 比類なき個性を放つヨーロッパの巨匠たち
第5回:ファンタジー全盛の今だからこそ、大人のフィルム・ノワールを!
第4回:CG&ワイヤーに乗っ取られたアクション映画の現在
第3回:はたしてメロドラマはジャンルとして成立するのか!?
第2回:今や風前の灯火!? 西部劇だってこんなに楽しい!
第1回:『シカゴ』、あるいは21世紀的ミュージカル進化論
先月までの「喜怒哀楽」
―――2004年―――
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PROFILE (HTML版)
渡辺祥子 宇田川幸洋



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スターに強い韓国映画界も最近は下降傾向に!?

渡辺 今でもスター制度が残っているのは、韓国ぐらいじゃない?

宇田川 でも、そこまで魅力のあるスターって少ないんじゃないですかね。ぺ・ヨンジュンだって、そんなに映画が作られているわけじゃないし。それに、韓国映画って最近は下火になってきているみたいですよ、すくなくとも日本の興行では。

――韓国では歴代興行収入を塗り替えるほど大ヒットした『グエムル 漢江の怪物』('06、ポン・ジュノ監督)も、日本では期待していたほどには当たってないみたいですね。

渡辺 私はすごく面白かったけどね。宇田川さん、ぺ・ドゥナ好きでしょ?

宇田川 ぺ・ドゥナはかわいいですよ。出てくると目が離せなくなるあぶなっかしさが自然に出てくるのはスゴイ。

――ぺ・ドゥナは韓国の女優さんの中でも珍しいタイプですよね。「美しく映りたい」という願望がそんなにない気がします。

渡辺 チェ・ジウなんかは人工甘味料みたいな感じがするもんね。

宇田川 「私は美人よ」という意識だけで生きてる気がする(笑)。韓国ならチョン・ジヒョンもかわいいですよね。ああいう童顔だったら寸がつまっているのが普通なんだけど、彼女はあの顔であのスタイルでしょ。それが信じられない。


『デイジー』
『インファナル・アフェア』シリーズ('02〜'03)のアンドリュー・ラウ監督が、チョン・ジヒョンら韓国の人気スターと組んだラブ・アクション

発売:アミューズソフト
¥3129(税込)
10/27(金)発売
渡辺 でも、彼女が主演の『デイジー』('06、アンドリュー・ラウ監督)は、どこかへんな映画だったわね。韓国映画のロマンティシズムと、香港映画らしいアクションのキレのよさがどちらもあるんだけど、奇妙に遊離しているような…。

宇田川 日本で公開されたのはインターナショナル版で、ぼくは韓国版も見たんです。『デイジー アナザー・バージョン』というやつ。アクションは韓国版の方がよかったけど、インターナショナル版のような韓国映画のメルヘン的なところがなく、もっとつめたい感じの悲劇になっているんですね。でも、チョン・ジヒョンはああいうおとなしい役よりも、『猟奇的な彼女』('01、クァク・ジェヨン監督)や『僕の彼女を紹介します』('04、クァク・ジェヨン監督)のような、乱暴な女の子の役の方がおもしろいですね。あれは彼女にしかできない。


たまにはスターの映画でメロメロになってみたい

渡辺  私ね、役者はインディーズ映画で輝く人と、メジャー映画で輝く人ってはっきり分かれていると思うの。インディーズで輝くような人も、メジャーに行くとどうしても脇になってしまうし、魅力がかすんじゃうのよね。でも、最近はメジャー映画で輝くようなスターって、ほとんどいないと思う。

――それは、昔ほどスターらしいスターがいなくなったってことですかね。

『マッチポイント』
恵比寿ガーデンシネマ、シネスイッチ銀座ほか全国公開中
スカーレット・ヨハンソンとジョナサン・リース・マイヤーズが、卓球ルームで出会うシーン
(C)JADA PRODUCTIONS 2005
宇田川 スターを見る楽しみが減った気はしますよね。ぼくは『マッチポイント』のスカーレット・ヨハンソンとジョナサン・リース・マイヤーズが出会うシーンで、久しぶりにスターの魅惑というものを感じましたけど。

渡辺 あれはウディ・アレンがスターが好きで、そういう撮り方をしたからでしょ。でも、最近は企画ありきの映画ばかりで、俳優はあくまで素材だと考えている人が多いから、そういう世界ではスターは生まれないわよね。

宇田川 昔みたいにやろうと思ってもできるもんじゃないし、スターを育てるのにも時間がかかりますよね。ウディ・アレンのように一瞬だけスターの輝きを感じさせる演出なら、今でもできそうな気がしますけど。

渡辺 でも、みんなそういう風にやって、古臭いといわれるのが恐いんじゃない?

宇田川 『マッチポイント』もカット割りはすごく古臭かったし、みんなああいうショットは撮らないですもんね。

渡辺 そこが役者にとっては不幸かもしれない。1930〜50年代はスターって作られるものだったけど、今は初めからよくないと使ってもらえないでしょ? 誰も原石を手に入れて磨こうなんて思ってないもの。だから、みんな季節の花で終わっちゃうし、今と昔では全然違っちゃったのよ。

宇田川 確かに今のスターで息が長そうな人って、そんなにいないかも。

渡辺 でも、それはハリウッドに限ったことじゃなく、最近はヨーロッパ系の役者もダメ。アラン・ドロンの後継者とか、マルチェロ・マストロヤンニの後継者っていないもの。

宇田川 そういえばいないですね。映画もみんな小粒になっちゃったし。

渡辺 巨匠と呼ばれる監督がみんな亡くなっちゃったからね。厚みのある映画ができないのよ。フランス映画もそう。今でも年間100本ぐらいは作られているみたいだけど、日本に全然入ってこないものね。

宇田川 日本に入ってこないのは、つまらないからですよ(笑)。

渡辺 昔はイギリス映画が役者の宝庫で、イタリア映画が美形の宝庫だったけど、今はほれ込めるようないい男がいなくなっちゃった。すごく残念だわ。たまにはスターの映画でメロメロになってみたけど、これじゃ映画を見る前にしらけちゃいそうね(笑)。




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