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第8回:ハリウッド製チャンバラ映画の席巻に日本映画危うし!?
第7回:“ラブコメ”、“ロマコメ”じゃない 「しゃれた」ソフィスティケート・コメディは難しい!?
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渡辺祥子 宇田川幸洋



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海洋民族の日本に海洋ものが少ないのはなぜ?

――海洋映画があまり作られなくなったのは、お金がかかるというのが一番の理由なんですかね。一説には、同じ年に作られた『カットスロート・アイランド』と『ウォーターワールド』('95)が大コケして、みんな海洋ものを作るのが怖くなったという話もありますが…。

渡辺 水ものが怖いっていうのはあるのかもね。海の上での撮影なんて、本当に大変だと思う。天候も変わりやすいし、安全対策をちゃんとやらないと保険も降りないし。そこまでやってコケたらたまらないものね。映画はしょせん水ものだし。

宇田川 とはいえ、小説は今も人気があるんですよね?

渡辺 『マスター・アンド・コマンダー』の原作なんて、私の友達が「全然知らない」ってアメリカ人にいったらバカにされたって。それぐらい人気があるのよ。それこそイギリスなんて7つの海を征服した国だし、今でもいっぱいあるんじゃない?

宇田川 日本は島国で海洋民族のわりには、海洋映画や海洋小説ってないですよね。

渡辺 室町幕府の頃に活躍していた村上一族の村上水軍なんかどお?

宇田川 あれは瀬戸内海だけじゃないですか(笑)。

渡辺 7つの海にはとうてい及ばないか(笑)。

宇田川 稲垣浩監督の『海賊船』('51)とか時代劇にも海賊ものがあるけど、まったくスケールが違いますもんね。海賊船は出てくるんだけど、やっぱりアメリカの海賊映画とは違うなって思っちゃう。

渡辺 アメリカの海賊映画は派手で明るいからね。それに、日本では外洋に出るといっても玄海灘のちょっと先ぐらいにしか行かないでしょ。きっと大きな撮影プールが作れなかったのね(笑)。


宇宙という海に繰り出す海洋映画の新しい概念


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宇田川 『マスター・アンド・コマンダー』を見ていて思ったんですけど、どこか『スター・トレック』シリーズに似ていると思いませんか? いわば宇宙船も船のひとつだし、同じく艦長なわけだから、舞台設定としては同じですよね。ただ、『スター・トレック』の場合は本物の宇宙で撮影しているわけじゃないから、『マスター・アンド・コマンダー』のような開放感はないですけど。

渡辺 そうやって考えると、今も海洋ものはいっぱいあると言えるわね。『スター・ウォーズ』('77)が公開されたときにも、「海賊映画を蘇らせた」って声もあったでしょ。

宇田川 音楽も海賊映画を手掛けていたエリック・ウォルフガング・コーンゴールドの音楽に似ているといわれましたしね。『エイリアン』('79)の宇宙船ノストロモ号の名前もジョゼフ・コンラッドの海洋小説の古典からとられているし、宇宙ものをやるときはいつも頭のどこかに海洋映画があるんじゃないかな。

渡辺 そうね。たとえ海賊映画や海洋映画が無くなったとしても、今は宇宙という海に繰り出していくことができるから、別の形で継続しているともいえる。でも、私としては、宇宙だとどんな広いところを見せられても空気がないから怖いわ。海だから開放感があるのであって、宇宙が舞台の映画には息がつまりそうな閉塞感を感じちゃう。

宇田川 それはそうと、『マスター・アンド・コマンダー』は、いくらでも続編が作れそうな終わり方でしたね。

渡辺 そりゃ、原作が20巻もあるんだから、いくらでもできるわよ。でも、『パイレーツ・オブ・カリビアン〜』は大ヒットしたから続編が作られるのはわかるけど、なによりも作るのが大変だから海洋映画が続けて作られるとは思えない。

宇田川 帆船マニアの人だったら、「今度はこのタイプの帆船が見たい」とかあるんでしょうけど。

渡辺 私も海洋映画がまったく無くなってしまうのは悲しいのよ。昔は戦争映画、西部劇、ミュージカル…ってたくさんジャンルがあったのに、だんだん消滅してきちゃったでしょ。たまに作られると、みんな「昔のものが蘇った」とかってすぐいうけど、それは本当の意味での復活じゃないから。映画がSFとホラーばかりになってしまうのは悲しいわ。

宇田川 ぼくは『マスター・アンド・コマンダー』で、英国海軍ものにはちょっと興味がわきましたよ。それに、こうやって話したり、『トロイ』の予告篇なんかを見ていると、バイキング映画のように主人公があまり服を着ないで戦うようなものが見たくなってきました。

渡辺 ええ〜っ、宇田川さん、そんな趣味があったの?

宇田川 違いますよ! 別に男の裸が見たいわけじゃなくて、単にローマ時代とかってあんまり服をまとってないでしょ? そういう意味です(笑)。でも、やっぱり『海賊大将』はもう1回見たいな。最後にしつこいようだけど、誰か本当にビデオ出してくれないかなぁ。



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