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年齢と共に深みを増すイーストウッドの魅力
――これまで監督としてのイーストウッドを見てきましたが、俳優としてのイーストウッドはどう思われますか?
宇田川 イーストウッドって、昔の写真を見てもいまと連続性があるというか、そんなに「若い!」とは思わないですよね。
渡辺 『ローハイド』のころは、まだお尻が青い子供って感じだったけどね(笑)。
宇田川 まぁ、あのころは顔もつるつるでしたからね(笑)。
渡辺 でも、イーストウッドは顔のしわと共に人間としての深みも出てきたから、だてに歳をとってないって感じがする。いつも自分の歳にふさわしい役を演じてるし。ただし、『マディソン郡の橋』を除いては。あれは、彼の長年のファンの女心を逆撫でしたわね(笑)。
宇田川 イーストウッド以降に出てきたアメリカン・ヒーローは、ケビン・コスナーやアーノルド・シュワルツェネッガーといった単純でストレートなタイプの俳優が多い。ケビン・コスナーは、自分が監督・主演した『ダンス・ウィズ・ウルブズ』('90)でアカデミー賞をとっているけど、ぼくはそんなにいいとは思わなかった。「健康優良児」みたいな映画で。
渡辺 イーストウッドは2枚目で華のある俳優だけど、どこかに複雑なものをもっているもんね。シュワちゃんなんかと一緒にされたら困っちゃうわ。
宇田川 イーストウッドも86年から2年間にわたってカリフォルニア州カーメル市の市長をつとめましたよね。彼だったら州知事にだってなれるのに、そうならないのがシュワルツェネッガーと違うところだと思う。そもそも市長選に出たのも、政治的野心からじゃなくて、まえの市長のやりかたが気にくわないからという、きわめて純粋な(?)動機からでしょう。まるでイーストウッドの映画みたいで笑っちゃう。
新藤兼人なんて目じゃない! 目指せ、世界最高齢監督!!
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『タイトロープ』
連続猟奇殺人事件を追ううちに、自らの影に怯えていく刑事の恐怖と葛藤を描いたサスペンス・アクション。
発売:ワーナー・ホーム・ビデオ
¥2980(税別) |

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『ブロンコ・ビリー』
西部ショーの一座を率いて旅をする男と、そこに紛れ込んできた資産家令嬢の恋を描いたロマンティック・コメディ。
発売:ワーナー・ホーム・ビデオ
¥2000(税別) |
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――それでは、最後にイーストウッド映画の中でお気に入りの作品を教えてください。
渡辺 『ダーティハリー』は絶対に入るわね。あとは、イーストウッドが金庫を大砲で爆破してお金を盗んじゃうような豪快な男を演じた『サンダーボルト』('70)も、やけにさわやかな映画だったけど好きよ。宇田川さん、『タイトロープ』('84)を入れてよ! あの変態映画(笑)。
宇田川 あれはアブナイ(!?)映画ですよねぇ(笑)。製作と出演だけで、監督はしてないけど、彼のヘンな趣味がすごく出ている映画。シビれました。好きですよ。
渡辺 だって、娘のアリソン・イーストウッドが子役として出てるんだけど、あれを見ると誰だって自分の子供を偏愛してるアブナイ親だと思うわよね(笑)。あの娘、彼の恋人だったソンドラ・ロックにそっくり!
宇田川 西部劇をテーマに対談したときにも出てきたけど、ぼくは『ブロンコ・ビリー』('80)かな。こういうときって、『許されざる者』のようなみんなが誉める映画じゃなくて、誰も選ばないような映画をつい選びたくなっちゃいますよね(笑)。『センチメンタル・アドベンチャー』も好きですねぇ。でも、こんどの『ミスティック・リバー』もかなりイイ線いってます。
渡辺 とにかく、彼はいくつになっても映画を撮りつづけてほしい。『クリント・イーストウッド アウト・オブ・シャドー』('00)というドキュメンタリーに生きうつしの彼のお母様が出てくるんだけど、その姿を見ているとイーストウッドも長生きしそうだし(笑)。100歳ぐらいは軽いんじゃない?
宇田川 (世界最高齢監督の)マノエル・デ・オリベイラ、新藤兼人をこえてほしいですよね。イーストウッドならたとえ車椅子になっても、自分で手持ちキャメラで移動撮影してそうだし(笑)。 |

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