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これからのミュージカルは“悪徳の栄え”が主流!?
――『シカゴ』が大ヒットしたことで、これから亜流の作品が出てきたりするんですかね?
渡辺 今、そんな簡単に真似できる時代じゃないわよ。企画を通すだけでも大変だしね。だけど、ひと頃のGAPのコマーシャルはミュージカルとして見ても楽しかったわね。あと武富士!
――日本を代表するミュージカルってことですか(笑)? ひとりひとりに華がないですよねぇ…。
渡辺 あれは“劇団四季”方式よ(笑)。昔、越路吹雪という宝塚出身の歌手がいたけど、あの人って落第生で結構、音痴だったんですって。だけど、すごく味があって、優等生で卒業した人よりも遥かに息長く生き残ったわけでしょ。芸の世界は正確性を求められてるだけじゃないの。自分が何を持っているか、どういう形で表現して人の心に入っていくかが重要よね。
宇田川 ぼくはジョン・ウーにミュージカルを撮ってほしいな。彼自身、ダンス教師だったこともあるというし。あのキャメラワークでやったら、ゼッタイいい。鳩も飛ばしたりして(笑)。
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『少林寺』
改名前(元リー・リンチェイ)に主演したジェット・リーの初期の代表作。
発売:キングレコード
¥4700(税別) |
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――それは見たい! そういえば、アクション映画にもミュージカル的な要素がありますよね。
宇田川 映画のクンフーは踊りと格闘技の中間にあるといえますからね。とくにジェット・リーは素晴らしい。『少林寺』('82)や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ('92〜'93)では、ミュージカルに通ずる綺麗な動きをしている。
渡辺 ボブ・フォッシーの映画監督デビュー作『スイート・チャリティ』('68)でも、ボクシングの動きを取り入れたダンスシーンがあるのよ。
宇田川 ミュージカルは、それができるんですよね。スポーツでも宗教的な修行でも、体を動かすものだったら何でも踊りに取り入れられるから。
渡辺 太極拳なんか、ダンスそのものだしね。
――『シカゴ』がミュージカルを変えたエポックメイキング的な作品だとすると、21世紀的なミュージカルのキーワードとなるものは何だと思いますか?
渡辺 キーワードなんていらない。おもしろいミュージカルを見せてよって感じ。芸のある人がいなくなったっていわれてるけど、絶対にいる! それに、『シカゴ』で訓練すればできるという確信をもったもの。
宇田川 『シカゴ』が成功したことによって、人間と世界の“悪の部分”を描いたミュージカルが増えるかもしれないですね。
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『コーラスライン』
トップ・ダンサーを目指す若者たちの青春と情熱を描いたミュージカル。
発売:東北新社
¥3800(税別) |
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渡辺 ブロードウェイでは、『シカゴ』と『コーラスライン』は同じ時期に出たのね。『コーラスライン』はベトナム戦争の後の暗い世の中で一生懸命に生きる若者たちを描いているし、時代にあっていたこともあってすぐに映画化されたの。でも、『シカゴ』は20年代の話だし、悪徳が栄える話だから当時は理解されなかった。今となっては、『コーラスライン』のほうが青臭く感じちゃうけど。
宇田川 ずいぶん真似されて、陳腐になった感もありますもんね。
渡辺 ブロードウェイでは古典ホラーの『ジキル&ハイド』や殺人床屋の『スウィーニー・トッド』もミュージカル化されてヒットしてるのよ。舞台でグランギニョール的な世界が展開されてるの。醜女を描いた『パッション・ダモーレ』('80)もミュージカルになっている。ロブ・ライナーは『スウィーニー・トッド』を映画化したがっているらしい。
――日本でも『恋に唄えば♪』('02)なんて作品がありましたけど、今後、本格的なミュージカル映画はできますかね?
渡辺 『鴛鴦歌合戦』('39)の焼き直しとか見たいな。
宇田川 氷川きよしがやればいいかも! 興行的にも良さそうだし(笑)。
(一同) それいい!
宇田川 監督は、犬童一心かな。
渡辺 やっぱり監督は、語り口がうまい人がいい。“氷川きよし主演の『鴛鴦歌合戦』、見たいなぁ!!”大きな文字で書いてね(笑)。
――ヒロインは誰がいいですかね? 優香とか?(苦笑)
宇田川 やっぱり、モーニング娘。! あ、ヒロインじゃないか。群舞のシーンね(笑)。あるときは腰元たち、あるときは町娘、またあるときは女火消しの「も組」とか(笑)。
渡辺 フカキョンちゃんは?
宇田川 踊りはどうかなぁ(笑)
――氷川きよしはいいですよね。王子様ぽいし、浮世離れしてるのもポイント。
渡辺 ヒロインは実力的にはあきらめて、すごく可愛くて軽そうな子ならいいわ。
宇田川 ゴマキ(後藤真希)がいいですよ。動きがゴージャスだから。ぼくとしてはサトエリ(佐藤江梨子)に出てもらいたいけど。踊りもある程度できるし。テレビのスペシャル番組で小池栄子といっしょにブロードウェイのダンス教室に体験入学したり、『世界ウルルン滞在記』でブラジルのバレエ団に参加したりしてましたしね。小池栄子も矢絣の着物が似合いそうね。ミュージカルは舞台の『ライアー・ガール』('02)ですでに経験ずみだし。
――うーん、話がアイドルの方向に行きそうですね…。主演は氷川きよしで、後はヒロインが決まればできますね!
渡辺 そのときは、スロウトレイン・プロデュースでね!(笑)。 |
| 進行・構成/馬場英美
(編集部) |

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