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まだまだ続く、リュック・ベッソンの大いなる野望とはー。


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2004.2.27 UPDATE

木村ひろみ

text by Hiromi Kimura
 
2004年セザール賞受賞結果発表!
 先週の2月21日に2004年のセザール賞が発表された。ノミネートされた数と受賞数が比例しないのは珍しくないけれど、カナダ人監督ドゥニ・アルカンの『みなさん、さようなら』(2004年GW公開)が3部門、しかも作品賞、監督賞、脚本賞と重要な部門で受賞、また女優ジュリー・ドパルデューが新人女優賞と助演女優賞の両方を受賞、など予想外の結果となった。11部門でノミネートされていたジャン=ポール・ラプノーの『ボン・ボヤージュ』(2004年公開)は、3部門での受賞にとどまった。

最優秀作品賞
『みなさん、さようなら』ドウニ・アルカン監督作品
最優秀監督賞
ドゥニ・アルカン (『みなさん、さようなら』監督)
最優秀主演男優賞
オマー・シャリフ (『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』フランソワ・デュペイロン監督作品)
最優秀主演女優賞
シルヴィー・テスチュ (『STUPEURS ET TREMBREMENT』アラン・コルノー監督作品)
最優秀助演男優賞
ダリル・コウル (『PAS SUR LA BOUCHE』アラン・レネ監督作品)
最優秀助演女優賞
ジュリー・ドパルデュー (『LA PETITE LILI』クロード・ミレール監督作品)
最優秀新人男優賞
グレゴリ・デランジェール (『ボン・ボヤージュ』ジャン=ポール・ラプノー監督作品)
最優秀新人女優
ジュリー・ドパルデュー(『LA PETITE LILI』/クロード・ミレール監督作品)
最優秀新人監督賞
『DEPUIS QU'OTAR EST PARTI』(ジュリー・ベルツリッチ監督作品)
最優秀オリジナル脚本賞
『みなさん、さようなら』(ドゥニ・アルカン監督作品)
最優秀オリジナル音楽賞
『LES TRIPLETTES DE BELLEVILLE』(シルヴァン・ショメ監督作品)
最優秀撮影賞
『ボン・ボヤージュ』(ジャン=ポール・ラプノー監督作品)
最優秀録音賞
『PAS SUR LA BOUCHE』(アラン・レネ監督作品)
最優秀衣装賞
『PAS SUR LA BOUCHE』(アラン・レネ監督作品)
最優秀美術賞
『ボン・ボヤージュ』(ジャン=ポール・ラプノー監督作品)
最優秀オリジナル脚本賞
『UN COUPLE EPATANT』『CAVALE』『APRES LA VIE』 (ルカ・ベルヴォー監督の三部作)
最優秀短編作品賞
『L'HOMME SANS TETE』(ジュアン・ソラナス監督作品)
最優秀ヨーロッパ映画作品賞
『グッバイ、レーニン!』(ウォルフガング・ベッカー監督作品)
最優秀外国語作品賞
『ミスティック・リバー』(クリント・イーストウッド監督作品)
セザール栄誉賞
(女優) ミシュリーヌ・プレール


『VERT PARADIS』
監督:エマニュエル・ブーデュー(フランス)


 エマニュエル・ブーデューは、この処女長編作品の一部を、父親で社会学者であるピエール・ブーデューに捧げた、といってもいい。主人公(ブーデューの短編2作品ともに主演していたドゥニ・ポダリデス)は、「フランスの田舎における独身者たち」についての論文を発表するため、パリから800kmほど離れた自分の故郷に帰ってくる。そこで2人の幼馴染と再会する。1人は彼も淡い恋慕を抱く若い娘(ナターシャ・レニエ、『天使が見た夢』('98)から大きく成長して、よい女優になりました)、もう1人は彼女の許婚だった農業に従事する青年(最近注目株のクロヴィス・コーニアック、常に「垢抜けない」役柄を演じてきたけれど、今回は「大げさすぎる」ほど「田舎者」、しかも「時代遅れ」が入っているのがちょっと行き過ぎの感あり)で、主人公は何を勘違いしたのか上の2人が今でも好き合っている、と思い、2人の仲をとりもとうと奔走することになる。

 主人公の研究作業が、監督の父親ピエール・ブーデューの若い頃を彷彿させることを除けば、この作品の残りの部分は「成就しそうな恋をどうやって逃すか」についてのマニュアルともいえる。主人公は幼馴染を好きなのに、幼馴染も主人公に惹かれているのに、いつまでたっても2人はよそよそしい態度をとり続ける。唯一、既婚者である幼馴染が酔いにまかせて「夫と離婚してあなたと一緒になりたい」と本心を明かす時、場面は色めき立つのだが、その愛に応えるべく主人公は、そそくさと車に乗り、田舎からパリへの復路をたどってしまう。

 恋愛とはかくも複雑なものなのか? つまり、単純でない気質の人間にとっては、恋愛もまた複雑、ということなのだろう。赤か黒かはっきりしなくては気がすまない、と思っていたフランス人にもこんな「曖昧な」感情表現を好む類がいたかと思うと、曖昧な文化様式の中に生まれ育った私にしては、少し嬉しいような、寂しいような…。


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