── ドラッグ経験者のあなたが、同じような若者を演じるとき、なにを思った?
ブラッド まず、最初に僕も一歩間違えば彼らと同じ道を歩んでいたかもしれないと思った。でも、僕は、取り返しがつかなくなる前に、神様に救われたんだ。いまでは毎日、神に感謝しているよ。
──いつからそんなに信心深くなったの?
ブラッド まぁ、子供の頃から、おばあちゃんに教会に連れていかれてはいたし。だから、盗むべからずとか、殺すべからずとか、姦淫するべからずとか、一般的なキリスト教の教えによって育てられてはいたんだ。
──でも、ちゃんと守ってないこともあったでしょ? 盗んだり、ドラッグやったり。
ブラッド まぁね。でも、いまでは僕は、宗派の区別はないと思うし、便宜上、キリストとかブッダとか名前は違うけど、神様という存在はひとつあると信じてて、かなり身近に神を感じて、自分を律しているよ。
──だから、そう感じたきっかけは?
ブラッド 刑務所に入って、命拾いをしたときからだよ。あの経験がなければ、いまごろ僕はドラッグで死んでたかもしれないし……。120日間、8フィート四方の牢屋に入って、看守から言葉の暴力を受け続けてた。スチール製のベッドにはマットレスもないんだ。毎日、毎日「神様助けて。もう、絶対にしないから」って祈り続けてた。あの時から、神が身近に感じられるようになったんだ。
とても神妙な顔で語るブラッドに、ちょっと安心。この分なら、もう、間違いは起こさないだろう。そう、期待されながらオーバードースで死んだリバー・フェニックスの轍はけして踏んで欲しくない。だから、つい、「あなたが刑務所に入ってることを思いだすと、日本の母(私)は、とても心配で憂鬱だった。もう、やめてね」と本音が出てしまった。すると、ブラッドも涙ぐんで例のペッタリとくっつくハグをして「ごめんね」……。お仕事のインタビューだったのに、とんだ愁嘆場を演じてしまい、ちょっと反省。
