デビュー作の『トト・ザ・ヒーロー』を携えたジャコ・ヴァンは、生まれたばかりの赤ちゃんと幼い娘、そして奥様を同伴で来日。「部屋にエキストラベッドとベビー・ベッドを入れて、もう大変なの」なんていいながら、かいがいしく世話をする和子さんは、すっかりジャコ・ヴァンの“姉”と化していた(笑)。だからインタビューも後半になると、まるで監督と私と和子さんのお茶飲み話会のようになり、通常のインタビューよりググーンとインタビュー対象者(ジャコ・ヴァン)との距離も狭まって、最高の時が過せたのだ。
そんな思い出のあるジャコ・ヴァンだから、もちろん96年10月に『八日目』を携えて来日したときも、いの一番にインタビューを申し込んだ。この第2作目は、ダウン症の青年ジョルジュと人生に疲れた中年の会社員アリーの心の触れ合いを描いたもの。主演のダニエル・オートゥイユとパスカル・デュケンヌがカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞をダブル受賞するという快挙も成し遂げていた。ジャコ・ヴァンは、その主演男優で実際にダウン症でもあるパスカルと2人で来日。インタビューもふたりで受けることになった。もちろん、私に異存はない。だって、前作よりさらに気に入っている作品だし、パスカルの天真らんまんな姿に魅了されていたんだもの。
