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プロローグ:もうひとつの『もののけ姫』
第1回 ゴダールの『映画史』
第2回 アンナ・カリーナとともに
第3回 映画と観客
第4回 美少女チャン・ツィイーに捧げた愛の詩
第5回 アニメーションの冒険
第6回 映画の宝物
第7回 羽仁進とジャン・ルノワール
第8回 誰が映画を殺すのか
第9回 映画の後で
第10回 映画戦線異状なし?
第11回 「映画」から遠く離れて
第12回 年末年始は映画三昧
第13回 いくつかの映画的「快挙」
第14回 『犬猫』『ヒッチコック・コレクション』『阪妻映画祭』など
第15回 ヌーヴェル・ヴァーグ再考
第16回 フランソワ・トリュフォー -わが人生の映画たち-
第17回 チェコアニメの夏
第18回 生きた、愛した、歌った。
第19回 『十七歳』を忘れないために
第20回 日常の映画的冒険
第21回 映画的日々雑録
第22回 『チェコ怪奇骨董幻想箱』など





『黄金』
スペシャル・エディション
ワーナー・ホーム・ビデオ
¥3129(税込)
発売中
 ワーナー・ホーム・ビデオのハリウッド・クラシック路線とも言うべきDVDコレクションのおどろくべき映像特典に気がついたのは、じつは、恥ずかしながら、つい最近で、「ハンフリー・ボガート コレクション」の各作品についてのメイキング、とくに『黄金』(ジョン・ヒューストン監督、1948)の特典映像のひとつとして、2時間をこえるジョン・ヒューストン監督のインタビューが収録されていたことを知ったときだった。かつて私はLD(レーザーディスク)でこのすばらしいインタビューを手に入れて宝物にしてきたのだが、それが、なんと、さりげなく、DVDの付録のひとつに添えられているのだ! ジョン・ヒューストン監督は、『マルタの鷹』(1941)、『黄金』、『キー・ラーゴ』(1948)、『アフリカの女王』(カラー、1951)、『悪魔をやっつけろ』(1953)とハンフリー・ボガート主演の作品(どれも名作と言っていいすばらしい作品だ)を撮っている。インタビューにおける監督の語り口も絶妙で、ハリウッドの鉄則として第一に脚本がよくなければならないというのはよく知られているが、脚本家出身のジョン・ヒューストンにとっては「いい脚本」というのはごくあたりまえのことらしく、映画で最も重要なのは俳優だ、スターだと断言する。ハンフリー・ボガートのようなすばらしい俳優がいれば、もうそれだけで傑作になるのだとうれしそうに語る。実際、俳優のせいでつまらなくなっている作品が多いことは誰もが思いあたることだろう。

 ジョニー・ワイズミュラーのターザン映画といえばターザン映画の決定版でありトーキー初のターザン映画だが、その目のくらむような「ターザン映画コレクション」(6作品/DVD4枚組)の特典映像たるや、1時間40分もの「ターザン映画の歴史」を綴るボーナスディスク付きで、その前にやはりワーナー・ホーム・ビデオから発売されたエロール・フリン主演の華麗なるテクニカラー活劇『ロビンフッドの冒険』(マイケル・カーティス/ウィリアム・キーリー監督、1938)の特典映像(「ロビン・フッド物語」)に匹敵するすばらしさだった。

 もう映画雑誌などいらない、少なくとも映画批評の類など無用であると言いたいくらいである。

 狂気のナンセンス・コメディーの祭典「マルクス・ブラザーズ コレクターズ・ボックス」(6作品/DVD5枚組)には合計3時間半もの映像ドキュメントが収録されている。
『風と共に去りぬ』の「スペシャル・エディション」(DVD4枚組)には、本篇をしのぐすばらしい「幻のメイキング」(2時間たっぷりのカラー・ドキュメンタリーである!)も入っているのだ。

『ザッツ・エンタテインメント コレクターズ・ボックス』
ワーナー・ホーム・ビデオ
¥7980(税込)
発売中
 「ザッツ・エンタテインメント コレクターズ・ボックス」(DVD5枚組)に至っては、美しいカラーのメイキング・ドキュメンタリーやMGMの歴史などの特典映像がボーナスディスク2枚に4時間分も収められているのだが、じつは見るのはこれからである。

 ジェームズ・キャグニーがアカデミー主演男優賞を受賞したミュージカル『ヤンキー・ドゥードル・ダンディ』(マイケル・カーティス監督、1942)の特典映像にはドキュメンタリー「ジェームズ・キャグニー物語」が、ジョン・ガーフィールド主演のフィルム・ノワール『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(テイ・ガーネット監督、1946)の特典映像にはドキュメンタリー「ジョン・ガーフィールド物語」が、ジュディ・ガーランド主演のミュージカル『若草物語』(ヴィンセント・ミネリ監督、カラー、1944)にはドキュメンタリー「魅惑のジュディ・ガーランド」とともに「ハリウッド:ドリーム・ファクトリー」が、それぞれ45分から1時間近くも入っているのだ。さらに、『ガス燈』や『ジキル博士とハイド氏』が「コレクターズ・エディション」とうたわれているのは、各作品2本ずつ(と言うのも変だが)、『ガス燈』は1940年版(ソロルド・ディキンスン監督、アントン・ウォールブルック、ダイアナ・ウィニヤード主演のイギリス映画、日本未公開)と1944年版(ジョージ・キューカー監督、シャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマン主演)、『ジキル博士とハイド氏』はフレドリック・マーチ主演の1932年版とスペンサー・トレイシー主演の1941年版の2本立てになっているからなのだ。おどろくほかない。

 さらに「ヒッチコック シグネチャー・コレクション」(5作品/DVD6枚組)となると、うれしい悲鳴をあげるどころか、気も狂わんばかりになる。




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