
|


アフガニスタンのセディク・バルマク監督『アフガン零年』(2003)を見る(3月13日より東京都写真美術館ホールにて公開)。「アフガニスタンは現在、再生の狭間でもがいています。それは23年間続いた戦争の結果です」と監督は語り、「この映画からアフガニスタンの新しい歴史が始まる」と広告の惹句はうたっている。「タリバン政権下、女性が働くことを禁止したアフガニスタン――」、そして、「少女は生き延びるため少年になった」というのが映画のメインのコピーだ。
なんといっても、ヒロインの少女がすばらしい。セディク・バルマク監督は路上で物乞いをするひとりの少女に出会い、即座にこの映画のヒロインに起用したという。
「お恵みください」そう言った少女の目には深い悲しみが宿っていました。それがマリナでした。
この少女を見つけたことで映画のすべてが「きまった」という感じだ。「誰よりも、13歳のマリナ、その目。」と脚本家の山田太一氏も新聞広告のアンケートに謳っている。映画はスジ(シナリオ)よりもヌケ(撮影)よりもドウサ(俳優の演技)だ、と思いたくなる――たとえ素人のつたない演技だとしても。
少女の運命にセディク・バルマク監督の言う「アフガニスタンの悲劇」を見ようと見まいと、その深い悲しみをたたえた瞳には、その苦しみを押し殺した小さな叫びには、涙をこらえることができないだろう。 |
|