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プロローグ:もうひとつの『もののけ姫』
第1回 ゴダールの『映画史』
第2回 アンナ・カリーナとともに
第3回 映画と観客
第4回 美少女チャン・ツィイーに捧げた愛の詩
第5回 アニメーションの冒険
第6回 映画の宝物
第7回 羽仁進とジャン・ルノワール
第8回 誰が映画を殺すのか
第9回 映画の後で
第10回 映画戦線異状なし?
第11回 「映画」から遠く離れて
第12回 年末年始は映画三昧
第13回 いくつかの映画的「快挙」
第14回 『犬猫』『ヒッチコック・コレクション』『阪妻映画祭』など
第15回 ヌーヴェル・ヴァーグ再考
第16回 フランソワ・トリュフォー -わが人生の映画たち-
第17回 チェコアニメの夏
第18回 生きた、愛した、歌った。
第19回 『十七歳』を忘れないために






『アフガン零年』
東京都写真美術館にて公開中
 アフガニスタンのセディク・バルマク監督『アフガン零年』(2003)を見る(3月13日より東京都写真美術館ホールにて公開)。「アフガニスタンは現在、再生の狭間でもがいています。それは23年間続いた戦争の結果です」と監督は語り、「この映画からアフガニスタンの新しい歴史が始まる」と広告の惹句はうたっている。「タリバン政権下、女性が働くことを禁止したアフガニスタン――」、そして、「少女は生き延びるため少年になった」というのが映画のメインのコピーだ。

 なんといっても、ヒロインの少女がすばらしい。セディク・バルマク監督は路上で物乞いをするひとりの少女に出会い、即座にこの映画のヒロインに起用したという。

 「お恵みください」そう言った少女の目には深い悲しみが宿っていました。それがマリナでした。

 この少女を見つけたことで映画のすべてが「きまった」という感じだ。「誰よりも、13歳のマリナ、その目。」と脚本家の山田太一氏も新聞広告のアンケートに謳っている。映画はスジ(シナリオ)よりもヌケ(撮影)よりもドウサ(俳優の演技)だ、と思いたくなる――たとえ素人のつたない演技だとしても。

 少女の運命にセディク・バルマク監督の言う「アフガニスタンの悲劇」を見ようと見まいと、その深い悲しみをたたえた瞳には、その苦しみを押し殺した小さな叫びには、涙をこらえることができないだろう。




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