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プロローグ:もうひとつの『もののけ姫』
第1回 ゴダールの『映画史』
第2回 アンナ・カリーナとともに
第3回 映画と観客
第4回 美少女チャン・ツィイーに捧げた愛の詩
第5回 アニメーションの冒険
第6回 映画の宝物
第7回 羽仁進とジャン・ルノワール
第8回 誰が映画を殺すのか
第9回 映画の後で
第10回 映画戦線異状なし?
第11回 「映画」から遠く離れて
第12回 年末年始は映画三昧
第13回 いくつかの映画的「快挙」
第14回 『犬猫』『ヒッチコック・コレクション』『阪妻映画祭』など
第15回 ヌーヴェル・ヴァーグ再考
第16回 フランソワ・トリュフォー -わが人生の映画たち-
第17回 チェコアニメの夏












 「忘れない」ことは「許さない」ということでもある。

『日本映画の歴史と現代』
新日本出版社
¥3700(税別)
 山田和夫氏の「久しぶりの評論集」であり、「主として1990年から2000年代はじめにかけて、新聞・雑誌に発表した論稿のうち、日本映画にかかわるものを選んで集大成した」1冊、「日本映画の歴史と現代」(新日本出版社)は、「映画運動」のマニフェストでもあり、時評=論争の書でもあり、日本映画の未来の発展のための「たたかい」の記録でもある。

 「ハリウッドは赤狩りを忘れない」というアメリカ映画についてのルポは、歴史偽造という「邪悪なたくらみ」に加担する日本映画を「許すわけにはいかない」という怒りの論考にそのままつらなる。なぜなら、「たたかってこそ前進がある」からであり、「歴史の真実を語り継ぐ作品の創造と普及に力を尽く」さなければならないからであり、「いま日本映画史が明らかにし、つぎの世代に引き継ぐべき価値ある遺産と伝統」や「映画史で語られなければいけないこと、正確に伝えるべきであるにもかかわらずまだなされていないこと」があまりに多く、「心ある日本映画人と映画運動がなさねばならぬ重大な課題の一つがここにある」からなのだ。

 「そこから間違いなく未来が見えてくると、私は信じている」と山田和夫氏は書く。その「未来が見えてくる」一例に小泉堯史監督の『阿弥陀堂だより』(2002)を挙げる。その「真摯な映画づくり」、「日本映画人の良心と情熱」をたたえる。

 シネコン(シネマコンプレックス=複合映画館)についての分析も興味深く、グラビアのめずらしいスチール写真とともに「前進座映画史おぼえ書き」が日本映画史研究の概論としてすばらしい。そして、異色の一文、「映画とともにいつまでも――淀川長治さん、ありがとう」は、ボリス・バルネットの未公開の傑作群を日本に紹介してくれた山田和夫氏の別の(と言っては失礼かもしれないが)一面を垣間見せてくれる。





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