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プロローグ:もうひとつの『もののけ姫』
第1回 ゴダールの『映画史』
第2回 アンナ・カリーナとともに
第3回 映画と観客
第4回 美少女チャン・ツィイーに捧げた愛の詩
第5回 アニメーションの冒険
第6回 映画の宝物
第7回 羽仁進とジャン・ルノワール
第8回 誰が映画を殺すのか
第9回 映画の後で
第10回 映画戦線異状なし?
第11回 「映画」から遠く離れて
第12回 年末年始は映画三昧
第13回 いくつかの映画的「快挙」
第14回 『犬猫』『ヒッチコック・コレクション』『阪妻映画祭』など
第15回 ヌーヴェル・ヴァーグ再考
第16回 フランソワ・トリュフォー -わが人生の映画たち-













『ジャン=リュック・ゴダール愛の世紀+アンヌ=マリー・ミエヴィルそして愛に至るDVD BOX 2枚組』』
発売:紀伊國屋書店
¥9600(税別)

『フォーエヴァー・ゴダール DVD-BOX 4枚組』
発売:紀伊國屋書店
¥15500(税別)

『D・W・グリフィス傑作選』
発売:パイオニアLDC
¥32900(税別)

『ゲームの規則』
発売:紀伊國屋書店
¥4800(税別)

『ルキーノ・ヴィスコンティDVD-BOX 3枚組』
発売:紀伊國屋書店
¥14400(税別)

『クレーヴの奥方』
発売:紀伊國屋書店
¥4800(税別)

『魔笛』
発売:紀伊國屋書店
¥5400(税別)

 10分間の映像の冒険に目をみはる――ジャン=リュック・ゴダール監督の『時間の闇の中で』(2003)だ。脚本はアンヌ=マリー・ミエヴィルなので、むしろミエヴィルによるゴダール論といったところ。このところ、どれもこれも(少なくとも私にとっては)チンプンカンプンだったゴダール作品をあらためて見直したいと思う衝動と勇気を与えられた。しかし、公開はずっと先になるらしいので(配給は日活)、とりあえず、ゴダール監督作品(『愛の世紀』、2001)とミエヴィル監督作品(『そして愛に至る』、2000)の2本立てDVD-BOXとゴダールの4作品、『ウィークエンド』(1968)、『フレディ・ビュアシュへの手紙』(1981)、『JLG/自画像』(1995)、『フォーエヴァー・モーツァルト』(1996)を収めたDVD-BOXが(いずれも紀伊國屋書店から)出ていることを記しておこう。


『JLG/自画像』
 DVD時代の映画鑑賞は、たぶん、映画雑誌のありかたを、よかれあしかれ、根底からゆるがすものになるのではないかと思う。それにしても、いまや、DVDは映画の古典の宝庫だ。新作は映画館で見られるからいいものの(いや、それとて、名画座というものがなくなってしまったいま、DVDが名画座の役目すら果たしているように思える)、グリフィスから、ルノワール、ヒッチコック、ヴィスコンティ、黒澤明、ビリー・ワイルダー、そしてつい最近「引退」したベルイマン、最長老の現役監督マノエル・デ・オリヴェイラまで、DVDによってよみがえりつづける「クラシック」の新しさには感嘆するばかりだ。
 アメリカ映画の父であり映画芸術の父であるD・W・グリフィス監督の名作群、『国民の創生』(1915)、『イントレランス』(1916)、『世界の心』(1918)、『散り行く花』(1919)、『東への道』(1920)、『嵐の孤児』(1921)とともにグリフィス監督の生涯と作品についての記録映画を収めたDVD-BOX「D・W・グリフィス傑作選」(パイオニアLDC)は私自身が監修したものなので確信を持って言えるのだが、どの作品の画質も圧倒的なすばらしさで(すべて染色版である)、絶対のお薦め品だ、
 1939年のジャン・ルノワール監督の名作中の名作『ゲームの規則』、ルキーノ・ヴィスコンティ監督の初期・中期・後期の名作、『揺れる大地<海の挿話>』(1948)と『夏の嵐』(1954)と『家族の肖像』(1974)の3枚組DVD-BOX(いずれも紀伊國屋書店)のすばらしさも言うまでもない。
 老年をこえていよいよ若々しく、いま世界で最も前衛的な(かならずしも先鋭的というのではない)映画を撮りつづけているポルトガルのマノエル・デ・オリヴェイラ監督は、生きながらにしてすでに古典的巨匠と化した奇怪な存在だが(あるいはむしろ、長老・巨匠ならではのわがままの勝利と言うべきか)、最新作の『家宝』(2002)など、安易な――つまりは商業的な――劇映画の技法や文法をすべて否定したほとんど実験映画で、これが東京・日比谷の映画館(シャンテシネ)で公開されただけでもおどろくべき事件だった。『家宝』という邦題からして、映画を見るまで、わけのわからないものだったし、じつに大胆な興行だったと思う(配給はアルシネテランで、『氷海の伝説』の配給会社でもある)。

『揺れる大地<海の挿話>』
 マノエル・デ・オリヴェイラ監督の90年代作品から『アブラハム渓谷』(1993)、『階段通りの人々』(1994)、『世界の始まりへの旅』(1997)、『クレーヴの奥方』(1999)もDVD化されている(紀伊國屋書店)。
 ビリー・ワイルダーは、とにかく観客をたのしませることに徹したハリウッドのエンタテインメント作家で、和田誠が描いたBilly Wilderの似顔絵のマーク付でDVD化された『情婦』(1957)、『あなただけ今晩は』(1963)、『恋人よ帰れ!わが胸に』(1966)の3作(いずれも20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン)をつづけて見て、そのおもしろさをあらためて堪能した。
 スウェーデン映画の巨匠、イングマール・ベルイマン監督の『魔笛』(1974)もDVD化された(紀伊國屋書店)。モーツァルトの有名な歌劇をベルイマン自身が演出し、映像化した作品で、1975年のカンヌ映画祭で特別上映されたときに初めて見て、じつにたのしかったという記憶がある。1976年には日本でも公開されているのだが、なぜか私は見られなかった(そのころは病気がちだったので、入院中だったのかもしれない)。これから見るのをたのしみにしているのだが、それにしても、いろいろな作品が次々にDVDで出るので、うれしい悲鳴をあげながら追いきれないくらいだ。
 日本映画の巨匠、というよりも「世界のクロサワ」と言うべき存在、黒澤明監督の全作品がDVD化されたことも周知のとおりだ(東宝作品は東宝から、大映作品は大映から、松竹作品は松竹から、それぞれBOXで発売)。

『魔笛』
 スリラーの神様、サスペンスの巨匠の名をほしいままにしたアルフレッド・ヒッチコック監督のDVD-BOX「ヒッチコック・コレクションT」「ヒッチコック・コレクションU」は特典映像もふくめて圧巻。あらゆるヒッチコック・ファン、映画ファンを魅了すること、間違いない。さらにTVの「ヒッチコック劇場」(第1集〜第4集)もDVD化された(いずれもユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン)。そのおもしろさについては、これこそ見てのおたのしみと言うほかない。





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