トリュフォーの映画的記憶を探る19章
(1) エッフェル塔
(2) 813
(3) リュミエール
(4) 「カイエ・デュ・シネマ」とヌーヴェル・ヴァーグ
(5) ロベルト・ロッセリーニとネオレアリズモ
(6) ジャン・コクトー
(7) ジャン・ヴィゴ
(8) ドタバタ喜劇(ローレル/ハーディ)
(9) マックス・オフュルス
(10) ニコラス・レイ
(11) チャップリン
(12) ハワード・ホークス
(13) ヒッチコック
(14) フリッツ・ラング
(15) ジャック・タチ
(16) ジャン・ルノワール
(17) 映画への愛
(18) アンリ・ラングロワとシネマテーク・フランセーズ
(19) アンドレ・バザン
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『柔らかい肌』
 (6)のジャン・コクトーは、トリュフォーが何よりも――というのはコクトーは詩人でもあり小説家でもあり画家でもあり演劇人でもあり、ありとあらゆるジャンルをこなした芸術家だったからですが――まず映画作家として最も敬愛していた人です。『大人は判ってくれない』の収益から、トリュフォーがジャック・リヴェットの『パリはわれらのもの』に資金援助したことはすでに述べましたが、コクトーの『オルフェの遺言』(1959)もトリュフォーは製作しています。『大人は判ってくれない』のジャン=ピエール・レオーも『オルフェの遺言』に友情出演しています。ヌーヴェル・ヴァーグに感謝の意をこめた挨拶を最後に送る『オルフェの遺言』は題名どおりコクトーの遺作になりました。トリュフォーは『柔らかい肌』のなかでも、映画館の正面に『オルフェの遺言』のコクトー自身のデッサンによるポスターを貼って敬意を表しています。では、『オルフェの遺言』のはじまりのジャン=ピエール・レオーが出るシーンとラストのヌーヴェル・ヴァーグへの挨拶のシーン、そして『柔らかい肌』に『オルフェの遺言』のポスターが出てくるシーンを見てみたいと思います。




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