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プロローグ:もうひとつの『もののけ姫』
第1回 ゴダールの『映画史』
第2回 アンナ・カリーナとともに
第3回 映画と観客
第4回 美少女チャン・ツィイーに捧げた愛の詩
第5回 アニメーションの冒険
第6回 映画の宝物
第7回 羽仁進とジャン・ルノワール
第8回 誰が映画を殺すのか
第9回 映画の後で
第10回 映画戦線異状なし?
第11回 「映画」から遠く離れて
第12回 年末年始は映画三昧
第13回 いくつかの映画的「快挙」
第14回 『犬猫』『ヒッチコック・コレクション』『阪妻映画祭』など
第15回 ヌーヴェル・ヴァーグ再考






『トリュフォー,ある映画的人生』
¥1,300(税別)
平凡社
『友よ映画よ,わがヌーヴェル・ヴァーグ誌』
¥1,400(税別)
平凡社
 フランソワ・トリュフォーが亡くなってから今年が19年目になるのだが、この4月から14作品が「フランソワ・トリュフォー 映画祭」の形で上映されることになり、そこで、昨年、平凡社ライブラリーで評伝「[増補]トリュフォー、ある映画的人生」を出版したときに、東京・池袋コミュニティ・カレッジで「トリュフォーを観る会」が催され、映画の上映に合わせて講演をしたことを思いだし、そのときのメモをもとにあらためて原稿にしてみた。


フランソワ・トリュフォー――わが人生の映画たち

 「わが人生の映画たち」はフランソワ・トリュフォーの映画評論集の題名です。1975年にフランスで出版されました。邦訳は「映画の夢・夢の批評」「わが人生・わが映画」の2冊で出ましたが、じつはあと半分ほど残っていて、これから全訳が「わが人生の映画たち」の題で出ることになると思います。「わが人生の映画たち」は、トリュフォー自選の映画批評集成ですが、その巻頭に、「彼らは生きていて、彼らはわたしに語りかけた」というヘンリー・ミラーの言葉を引用して掲げています。ヘンリー・ミラーの有名な読書遍歴の本、邦訳は「わが読書」ですが、英語の原題は「Books in my life」、フランス語の訳題が「Les livres de ma vie」、直訳すると「わが人生の書物たち」で、トリュフォーは、ここから自分の映画遍歴を綴った評論集に「わが人生の映画たち」という題をつけたわけです。「彼らは生きていて、彼らはわたしに語りかけた」という「彼ら」とは、もちろん、ヘンリー・ミラーにとっては書物のことですが、トリュフォーにとっては映画のことで、トリュフォーは大変な読書家でもありましたが、ごぞんじのように、映画狂から映画批評家に、そして映画作家になった、いわば映画ひとすじの人生を生きぬいた人です。
 そのフランソワ・トリュフォーの映画遍歴のほんの一部を、「彼らは生きていて、彼らはわたしに語りかけた」というその人生の映画たちの記憶の断片を、トリュフォー自身の作品のなかにどんなふうに見出されるかを、見えるものだけなのでほんの氷山の一角にしかすぎませんが、できるだけ映画を見ながら、さぐってみたいと思います。見られる映画にも限度があるので、トリュフォーとヌーヴェル・ヴァーグの創造の秘密を垣間見るというところまではいけるかどうか。とりあえず、トリュフォー作品にその映画的記憶の刻印がはっきり認められる以下のような19項目を立てて検討していきたいと思います。


〜トリュフォーの映画的記憶を探る19章〜
(1) エッフェル塔   (11) チャップリン
(2) 813   (12) ハワード・ホークス
(3) リュミエール   (13) ヒッチコック
(4) 「カイエ・デュ・シネマ」とヌーヴェル・ヴァーグ   (14) フリッツ・ラング
(5) ロベルト・ロッセリーニとネオレアリズモ   (15) ジャック・タチ
(6) ジャン・コクトー   (16) ジャン・ルノワール
(7) ジャン・ヴィゴ   (17) 映画への愛
(8) ドタバタ喜劇(ローレル/ハーディ)   (18) アンリ・ラングロワとシネマテーク・フランセーズ
(9) マックス・オフュルス   (19) アンドレ・バザン
(10) ニコラス・レイ      




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