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プロローグ:もうひとつの『もののけ姫』
第1回 ゴダールの『映画史』
第2回 アンナ・カリーナとともに
第3回 映画と観客
第4回 美少女チャン・ツィイーに捧げた愛の詩
第5回 アニメーションの冒険
第6回 映画の宝物
第7回 羽仁進とジャン・ルノワール
第8回 誰が映画を殺すのか
第9回 映画の後で
第10回 映画戦線異状なし?
第11回 「映画」から遠く離れて
第12回 年末年始は映画三昧












 映画の本は「1960年代から70年代にかけて黄金期を迎えた東映任侠・ヤクザ映画」についての「初の全面的総括の試み」とオビの惹句にうたわれた大高宏雄著「仁義なき映画列伝」(鹿砦社)とやはり60年代から70年代にこぼれて狂い咲いた「マカロニウエスタンのすべて―イタリア西部劇324―」(梶原和男編著、白亜書房)が興味深く、どちらもクセはあるものの、ある種のガイドブックというか、カタログになっている。

 ところで、カタログの、これはきわめてつきとも言うべき大冊が出た。さながら映画百科大辞典といった大冊だ。

「20世紀アメリカ映画事典」(畑暉男編、カタログハウス)

 私もふくめて何人かの映画評論家、ライターが年代別にアメリカ映画についてのエッセイ(というよりも、それぞれまじめな分析を試みた文章である)を書いているものの、それらはほんの飾り程度で、すべてはこの手の資料編纂にかけては最も(唯一の、と言ってもいいかもしれない)信頼の置ける畑暉男氏のまとめた日本公開のアメリカ映画の全カタログである。オビの惹句にもあるように、1914年〔大正3年〕1月『怪しの女』から、2000年12月『13デイズ』まで、わが国に公開されたアメリカ映画全15,393本のフィルモグラフィが中心になっている。それだけではなく、1年ごとに世界の映画界の最も重要な出来事が確実に網羅されていて、すべてがデータにもとづくカタログになっている。索引は別冊で、原題からの逆引きもできるようになっているのも、畑暉男氏ならではの心遣いだろう。さらにアカデミー賞受賞記録の総リストも加えられているというサービスぶりだ。すべてふくめて豪華なボックスになっていて、値段も相当張るが、「ファン、研究者必携!」のうたい文句にふさわしいものだろう。これから実際にどんなにか役に立つだろうと思ってうれしくなった。ぜいたくな快挙と言える出版だ。唯一の悩みはこの重量級のでっかいボックスを狭いわが家の本棚のどこに置くかである!


『20世紀アメリカ映画事典』
畑暉男編
カタログハウス
18000円(税抜き)




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