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プロローグ:もうひとつの『もののけ姫』
第1回 ゴダールの『映画史』
第2回 アンナ・カリーナとともに
第3回 映画と観客
第4回 美少女チャン・ツィイーに捧げた愛の詩
第5回 アニメーションの冒険
第6回 映画の宝物
第7回 羽仁進とジャン・ルノワール
第8回 誰が映画を殺すのか
第9回 映画の後で
第10回 映画戦線異状なし?











 「ビデオカセットをしのぐデジタルによる高画質、高音質、加えてコンパクトで劣化も少ない映像記録媒体――そんなふれこみで96年に登場したDVDソフトの売上げが急伸している」(小原篤「DVDがやってきた」、朝日新聞夕刊)という。

 コレクション・アイテムとなる名作も続々DVDとなって再登場。「デジタル・リマスター」、「豊富な特典映像」といった言葉が躍り、ファンの心をさらにくすぐる。もちろん特典付きBOXセットはLD時代から変わらぬ売れ筋商品だ。――と「キネマ旬報」の「VIDEO&DVDシアター」欄はつづける。

 たとえばDVD5本セットのアンソロジー「SF映画100年史」(クリエイティブアクザ/パイオニアLDC)。

 H・G・ウエルズやジュール・ヴェルヌの空想科学小説から説き起こし、1902年のジョルジュ・メリエス監督のトリック映画『月世界旅行』からはじまるSF特撮映画の100年の歩みが、「SFの父」「スペース・トラベラーズ」「ロボット」「エイリアン」「奇妙な科学」「奇怪な世界」「SFヒロイン大集合!」「未来世界」「タイム・トラベラーズ」「SFヒーロー列伝」という10部構成で語られる。長いあいだゲテモノあつかいされてきたジャンルのいかがわしいおもしろさでいっぱいだ。貴重な映像クリップも多彩で、予告篇を使っただけの作品紹介も多い。第2次世界大戦前夜に全米をパニック状態におとし入れた有名なラジオ・ドラマ「火星人襲来」のさわりの紹介や若きオーソン・ウェルズの記者会見の――ほんの1部だが――模様もある。案内役はハマー・プロの怪奇映画のスターとして知られたクリストファー・リーで、各章の冒頭に出てきて、こんなふうに語りはじめる。

 ホラー、ファンタジー、SFはよく同類あつかいされ、ビデオ店でも同じ棚に並べられていますが、じつは基本的な違いがあります。ファンタジーというのは科学的に不可能なことや神話など超自然的な、あるいは架空の現象を描きます。SFは既知の科学的発明や事実から出発して想像をふくらませたものです。映画のライターや作り手は科学的事実を巧みに脚色します。しかし、物語を本当におもしろくするのは人間的な要素なのです。

 そして、各章の終わりをこんなふうにしめくくる。

 20世紀は科学と技術の分野で数えきれないほど多くの変化を経験しました。しかし、人間性は昔と同じなのです。憎悪や恐怖心、愛や希望、自己表現や自己喪失、欲求や犠牲、人間の精神や本質は変わりません。


『SF映画100年史』
1999年アメリカ
8時間12分
DVD:25000円(税別)
発売元:クリエイティブアクザ
販売元:パイオニアLDC


 テッド・ニューソム脚本・監督の学識豊かな、たのしいアンソロジーで、これを見るとSFものにすっかりとり憑かれてしまい、黒澤明監督の『七人の侍』(1954)の甲冑姿の三船敏郎とか『乱』(1995)の騎馬軍団などの品のない物真似みたいなティム・バートン監督の大がかりな(というか、大げさな)『PLANET OF THE APES/猿の惑星』(2001)ですら、ほほえましく、いとおしくなるくらいだ。





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