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プロローグ:もうひとつの『もののけ姫』
第1回 ゴダールの『映画史』
第2回 アンナ・カリーナとともに
第3回 映画と観客
第4回 美少女チャン・ツィイーに捧げた愛の詩
第5回 アニメーションの冒険
第6回 映画の宝物
第7回 羽仁進とジャン・ルノワール
第8回 誰が映画を殺すのか
第9回 映画の後で












 もう原稿の締切がすぎたのに、瀬川祐司著「美の魔力 レーニ・リーフェンシュタールの真実」(パンドラ/現代書館)を読みきれずにいるので、書評らしきものの代わりに、発行元の(株)パンドラの代表、中野理恵氏からのメッセージを紹介させていただくと、「まもなく100歳を迎えようとする現在もなお、果敢に世界を飛び回るリーフェンシュタール。『オリンピア』や『意志の勝利』によって<ナチズムの煽動者>とレッテルを貼られた彼女の真実はどこにあるのか。本書は、過去の評価にとらわれることなく、彼女が作った作品を徹底して分析することで、この歴史的な映画作家の真の姿を描き出す画期的な1冊」ということになる。

 
『レニ』
 
 リーフェンシュタールの「90年の足跡を追った」ドキュメンタリー映画『レニ』(1993)を配給したのも(株)パンドラで、脚本・監督のレイ・ミュラーが「政治的な」質問ばかりするので、リーフェンシュタールがいらいらして、わたしは映画作家なのよといわんばかりに抵抗し、たとえばベルリン五輪映画『オリンピア』(1938)のなかの男子飛び込みのシーンに逆回転の映像を混じえて編集することによって、まるで選手が飛び込み台から着水するまでのあいだに空に向かってダイナミックに舞い上がるような印象を与える「芸術的な」テクニックをたのしげに回想するところがじつに感動的だったのだが、まさにそこに「<ナチズムの煽動者>とレッテルを貼られた彼女の真実」を見る思いがしたものだった。その学術的な研究の成果が瀬川裕司氏の著書なのだと言えよう。「ヒトラーのお気に入り」でナチズムの宣伝映画を撮ってしまった「リーフェンシュタールという存在」についてつきまとう「<ナチと寝た女>か天才映画監督か」「悪魔に魂を売った女か<美の殉教者>か」といった「対立項」が、その「どちらか一方に単純に整理されてしまうような存在ではないことを証明している」と瀬川氏は強調するのである。

『美の魔力
レーニ・リーフェンシュタールの真実』

瀬川裕司著
パンドラ
3500円(税別)
 
『レニ』
監督:レイ・ミュラー
出演:レニ・リーフェンシュタール
1993年/ドイツ・ベルギー映画
3時間8分
VHS:10000円(税抜)
発売:パンドラ
販売:アップリンク






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