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プロローグ:もうひとつの『もののけ姫』
第1回 ゴダールの『映画史』
第2回 アンナ・カリーナとともに
第3回 映画と観客
第4回 美少女チャン・ツィイーに捧げた愛の詩
第5回 アニメーションの冒険











 面白すぎるもう1本の映画は、DVDではなく、ビデオ(テープ)で発売された1939年のセシル・B・デミル監督の西部劇大作、『大平原』(ジュネス企画)だ。

 アメリカ大陸横断鉄道建設の物語だが、叙事詩的な風格とか詩情などといったものにこだわらずに活劇的スペクタルに徹した快作だ。ジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』(1977)のはじまりにも踏襲された印象的な遠近法の流れるようなクレジットタイトルから、見せ場に次ぐ見せ場の連続で、走る列車を馬で追いかけて飛び乗るところにせよ、インディアンの少年を射ち殺した男を殴り倒して列車から投げだすところにせよ、酒場の鏡を使った早射ちにせよ(「鏡はみがいておくものさ」)、インディアンの大襲撃で転覆した列車の中でライフルと電線を使ってSOSの信号を送るサスペンスにせよ、酒場をぶっこわしに大行進する痛快なサボタージュにせよ、壁に飾られた大鹿の剥製の目を鞭で射抜くところにせよ(エイキム・タミロフの鞭の妙技!)、逃げる強盗の背中を馬を走らせながら狙い撃つ夜の追跡シーンにせよ、「想い出の名画」(文芸春秋)の野口久光さんの口ぐせではないけれども、「理屈をいわなければ、これほど面白い映画はないともいえる」傑作中の傑作なのである。

 ジョン・フォード監督の西部劇の名作、『駅馬車』(1939)の原作者、アーネスト・ヘイコックスの西部開拓小説の映画化で、『駅馬車』も『大平原』も、ともにアメリカ映画史上西部劇復活のきっかけになった同じ年につくられた画期的な名作なのだ。単なる通俗娯楽活劇以上の熱っぽい意気ごみが感じられる西部劇大作である。


『大平原』
UNION PACIFIC
1939年・アメリカ映画
監督:セシル・B・デミル
出演:バーバラ・スタンウィック
   ジョエル・マクリー
   ロバート・プレストン
VHS:ジュネス企画
6800円(税抜き)/発売中


 








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