
―『ワースト★コンタクト』ではちょっと変わった宇宙人を演じられていますが、宇宙人役だと初めて聞いたときは驚きませんでしたか?
『スペース・ポリス』('04・渡辺一志監督)でも宇宙人役やったんで、「またか」って感じでしたね。でも、僕に宇宙人役のオファーが来るのも、なんとなくわかる気がするんです。自分で言うのもなんですけど、僕には人と違う雰囲気があると思うんですよね。そういうところが、ほかの人から見たら宇宙人っぽく見えるんでしょうね。
―といっても、『宇宙戦争』や『E.T』に出てくるような、いわゆる宇宙人という感じではないですよね。名前も「カワダ」だし、風貌も宇宙人とは思えないほど庶民的で…。
そうですね。僕としても、宇宙人だと思って演じてなかったですから。監督からも「おまかせします」と言われたんで、カワダは(大阪の)西成のおっちゃんやと思って演じてました。でも、西成のおっちゃんはおっちゃんでも、僕がやるときっとヘンな風になるから、それが逆に宇宙人っぽく見えるんじゃないかとは、最初から思ってましたけど。
―多胡監督が「板尾さんはディテールの細かい方」と言われていますが、演じるうえでこだわられた点はありますか?
カワダは僕の中では西成のおっちゃんなんで、それに近づけようと、日焼けサロンに行ったり、汚れた感じが出るように歯をいじったりはしました。あと、少しでも宇宙人っぽさを出すために、瞬きを1回もしないつもりだったんですけど、たぶんどっかでしてます。「あっ、今やってもうた…」って思った瞬間があったんで(笑)。
―映画を見ていると、役を演じているというよりも、コントなどで見る板尾さんのキャラクターがそのまま生かされているような気がしますが…。
これは僕の場合なんですけど、別の人間には絶対になれないと思うんですよね。だから、どんな役柄であっても、「自分だったらこうするな」ってところでしかやらないし、自分を切り離して考えることは絶対にないですね。
―きっと監督としても、板尾さんにオファーされた時点で、「板尾さんならこうしてくれるんじゃないか」っていうイメージが頭にあるんでしょうね。
どうなんでしょうね。でも、おかげさまで、僕のところには「これはできへんな」って仕事はこないですね。それに、(来る役が)どれも普通じゃないんで、いつもおもしろそうやなって思ってやってます。
―哀川翔さんとの共演はいかがでしたか? なんと『ワースト★コンタクト』が105本目の出演作で、そのうえ、ご自身としては「これが最後の極道役」だと言われているみたいですが…。
今回、哀川さんとは、お会いするのも始めてだったんですよ。ヤクザの役をよくやられている方なんで、最初はふだんもそういう方なのかと思ってたんです。でも、実際にお会いしたら、ほんとに気さくな方で、親戚のにいちゃんみたいな感じでしたね。ただ、ほんまのところを言うと、僕はほかの共演者の方と意気投合しすぎるのもどうかと思うんですよね。あんまり仲良くなったら、緊張感がなくなる気がして。でも、今回は、哀川さんがいい具合に接してくださったんで、すごくやりやすかったです。唯一困ったことは、哀川さんって、現場にすごく早く入られる方なんですよね。だから、僕も遅れたらあかんと思って、そこはちょっと気を使いました(笑)。
―前半は室内でのシーンが多かったですけど、せまいスペースでの撮影は大変だったのでは?
あれは、やばかったですね(笑)。哀川さんと僕、それと哀川さんの恋人役を演じた有坂さんが出ずっぱりなうえに、せまいマンションの一室にスタッフもギュウギュウに押し込まれてて。ああいう密室に押し込められると、息がつまってきて、わけがわからんようになってくるんですよね。セットでの撮影だったらまた違うんでしょうけど、普通のマンションだったんで、精神的にけっこうきつかったですね。 |