山下敦弘監督インタビュー


ミニインタビュー

村石千春

PROFILE 村石千春
■'84年、東京都生まれ。オンワード樫山やTBCのモデルを経て『KINDAI』や『HDP』など、雑誌のグラビアで人気を集める。本田隆一監督作『プッシーキャット大作戦』('04)の海女役で映画デビューを果たし、今作『くりいむレモン』でヒロインに大抜擢された注目の新星
山下作品に大抜擢された新星

Q:『くりいむレモン』で初主演に挑戦された感想をお聞かせください

A:とても良い作品に仕上がっていて、ほんとホッとしました。もう、とにかく不安なことだらけだったんですよ。映画では2本目の出演になるんですが、主演でやらせていただいたのは今回がはじめてだったので。今思うことなんですが、“この役って難しかったんだなあ”って。亜美ちゃんが、すごくマイ・ペースで淡々としている子だったので、はっきりとした感情表現が出来ないんですよ。その淡々としているニュアンスを、棒読みにならないように表現するのが難しかったです。

Q:山下監督や山本浩司さん、水橋研二さんは同じ世代だとお聞きしましたが、実生活でお兄ちゃんにするんだったらどなたですか?

A:う〜ん、やっぱり水橋さんじゃないですかね。家にいたらすごく楽しそう。ちなみにうちのお兄ちゃんも、ちょうどその年代なんですよ。まあ、うちは恋をすることはないですけどね(笑)。

Q:山下監督の演出はどうでしたか。また、特に苦労されたところは?

A:一番悩んだのはラストで泣くシーン。正直、“泣けなかったら目薬使ってもいいのかな”なんて軽く考えていたところがあって、撮影直前になって“目薬? 使わないよ”ってあっさり監督に言われちゃって(笑)。映画って、監督の言うことがすべてだと思っていましたから、すごく思いつめちゃって。最初の方は、日常生活にある悲しい出来事を思い浮かべて泣こうとしていたんですけど、ようやく泣けた時に考えていたのは“やらなくちゃ”とか、“出来ない子じゃないんだ”とか、初主演を務めることに対するいろんなプレッシャーだったんです。もう涙がボロボロ出てきちゃって、出たらもうこっちのもんです(笑)。あそこは、亜美ちゃんの気持ちと一番シンクロ出来た部分だと思っています。

水橋研二

PROFILE 水橋研二
■'75年、東京都生まれ。『331/3r.p.m』('96)でデビューしたのち、塩田明彦監督作『月光の囁き』('99)で一躍脚光を浴びる。代表作に『ロックンロールミシン』('02)『サル』('03)など。新作に『キスとキズ』10/30(土)公開、『青い車』(11月公開)など出演作が目白押しの実力派
山下作品に初出演の実力派

Q:完成した『くりいむレモン』をご覧になっての感想と、水橋さんは多くの若手監督さんたちと組まれてきていますが、山下監督となじみのあるスタッフと組まれた感想をお聞かせください

A:『くりいむレモン』に出ることになった時には“エロいよ”っていうのは聞いていたし、正直、多少不安はありましたよ。でも、監督が山下さんだったのですんなり受け入れられました。なんか不思議な…彼ならではの世界なんでしょうけど、あいまいな感じや人間臭さが出ていて僕は好きでしたね。現場では、僕は常に違う現場ばっかり行っていて、どこに行っても“はじめまして”の挨拶は変わらないから、ふだんとそんなに変わらなかったですね。でも、なんかいいですよね、同級生とかなじみのあるチームで映画を作るのって。

Q:山下監督の演出はどうでしたか。また、今回の役柄をどう捉えていらっしゃいますか? 水橋さんは、特に“間”の演技がすばらしかったように思います。

A:それは監督の演出がよかった部分も大きいですけど、確かに僕が一番気にしたのは“間”のことだったし、監督ともその点についてはずいぶん話し合いました。まあ、自分で考えてヒロシになろうとしたというよりは、いつの間にかなっていたという感じでしょうね。前半のシーンと後半では全然顔が違っていると思います。あとは、ヒロシは分かりやすい役でもありますから。理性とかは抜きにして、基本的にはすごく素直な人だと思うんですよ。何よりも妹のことを一番に考えていて、自分よりも妹のことの方がよく分かっているぐらいの人なんじゃないかな。

Q:妹が出来てみていかがでした?

A:かわいかったですね〜。役の年齢はそんなに離れていないんですけど、実際は結構離れていて10歳くらい違うのでほんと、“かわいい妹”っていう感じでした。最初の方のシーンで亜美が眠っているヒロシを起こすところがあるんですけど、あんな声でささやかれちゃったりしたら“なんだ、しょうがないなあ”っていう気分になりますよね(笑)。村石さん自身もかわいらしい子だしね。

山本浩司

PROFILE 山本浩司
■'74年、福井県生まれ。'93年に大阪芸大映像学科に入学後、山下敦弘監督作『どんてん生活』('99)で映画デビュー。主に、同監督や本田隆一監督作品に多数出演。ほか、映画監督やミュージシャンとしても活躍中の個性派。新作に『レディ・ジョーカー』12/11(土)公開など
山下作品で常連の個性派

Q:山下監督初の恋愛映画ということですが、常連俳優である山本さんから見た印象をお聞かせください

A:仮編集版を観た時からキュンとせつない、打ちのめされたような感動が伝わって来ました。彼の落ち着いた感じの作品が観てみたいと思っていたのでうれしかったですね。今までは結構、笑いが満載の作品が多かったんですけど、これまでの作品に隠れていたせつなさとか、悲しさといった部分がはっきりと観られた作品になったなあというか。ちょうど観たかった映画でした。

Q:ヒロシ役をやりたいとは思いませんでした?

A:うん、思わなかったですね。っていうか、やっちゃいけないと思いました(笑)。リハーサルの時に頼まれて何回かヒロシ役の本(脚本)読みをやったんですけど、自分なりに一生懸命やってもなんか“違うな”と。僕は僕なりにヒロシ役を解釈してやったつもりなんですけど、どうも違う人になっちゃうんですよ。ずっと村石さんに笑われてましたしね(笑)。“役に立つのかな、この本読みは”と疑問に思いながらやっていたんですけど、まぁ村石さんとお芝居が出来て楽しかったです。

Q:山下作品には今作で4度目の出演になりますね。この4本を通してみると、山本さんの俳優としての成長過程が如実に見られると思うのですが

A:ああ、『リアリズムの宿』の時に監督からも同じことを言われました。今思えば、1作目の「どんてん生活」の頃は何も考えていなかったような気がします…。山下監督のシナリオは面白くて、とにかく自分が笑えるとか泣けると思ったところをうまく表現しようと意気込んでいたんですけど、撮影3日目あたりになるとその緊張感がなくなってしまって。それがちょうど5年前のことで、申し訳ないですけど結構いい加減な気持ちでやっていたように思いますね。でも今は、ここまで来た以上使い続けてほしいし、たとえ顔が出なくても何かしらの形で参加させてほしいと思っています。




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