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2003.3.17 UPDATE


取材・文/中村千恵子(編集部)
text by Chieko Nakamura |
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| (C)団鬼六『紅姉妹』製作委員会 |

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−今までおうかがいしていると先生は、「ピンクの腰巻事件」や「パンツ論争」(「その参」参照)など、いろいろな苦い思いをされてきたわけですよね。やはりそういった経験があったからこそ、今回の撮影には終始立ち会われたのでしょうか。
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| “ソフトな縛り”を提唱する鬼六先生だけに、緊縛シーンの演出にも、この上なくにこやかな笑顔で臨みます |
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(C)団鬼六『紅姉妹』製作委員会
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そう。今までの映画はね、僕が立ち会ってるときはやらないのに、いなくなるとすぐハードにしやがんの(笑)。“縛る”というのは“自由を拘束する”という、あくまでもシンボルなだけなのに。だから、僕は亀甲縛りとかなんとか、そういうのには全然こだわってないのよ。今までの映画は、責めのシーンになると硬く縛るでしょ。あれがもう僕はイヤでね。だけど映画のやつらはギリギリ縛りあげて、谷ナオミなんか痛い痛い言うの。それでも「我慢せい、我慢せい!」なんて言ってコテコテに縛りあげてね。映らないから後ろは縛らなくていいって僕が言っても「イヤそんな仕事したくありません! 頑張ります!!」って言いやがって縛るのよ、ぐいぐいぐいぐいって。「アホかっ!」っちゅうの(笑)! …だから僕は今回、縄師を使わなかったのよ。劇中に出てくる椿という、名古屋のSMショーに出てる女性に、パッパッパッと簡単に1本か2本の縄でソフトに縛らせたんです。
−“縛り”の演出においては今回、先生の思いがかなったんですね。そちらも含めて、今回の撮影全般を振り返ってみて、映画監督業には満足することができましたか?
ヤ、もう参りましたわ(笑)! もっとパンパンと金が入るのかと思ってたのにね、まだ一銭も入ってこないから(笑)! コレ(映画)はね、もうよっぽど金がないとダメですね。金ができたらすぐ次の映画を作ろうと思ってたんですけど、なっかなか、ダメですよね(笑)。実はいま、昔書いた『夕顔夫人』というのを原作にした漫画「紅姉妹・パート2」が連載中なんだけれど、それがなかなか好調でね。評判いいから、その漫画の監督もやらんかって電話があったの。でも「もう疲れた」って言っといた(笑)。アイデアはいろいろありますけど、なにせ体力がございませんからね。
−“本業である小説の方は現在、1日にどれくらい書かれているんでしょうか?
今、連載がだいたい…1、2、3…4本ぐらいかな。ダ・カーポ(2002年連載終了)でしょ、それから…ちくま書房。近代将棋。それから小説新潮。4本もってるんですけど、書き越しが3本あって。だいたい月に300枚くらいかな…、1日20枚は書きますね。
−1日20枚も抱えているなんて、大変なことですよね。
年は70過ぎてるでしょ? そりゃ大変ですよ。でも注文が次から次へと来るんです。頭ボケて書けない言うてるのに、書くとおもしろいって言ってくれるんですよ。
−今まで先生の原作で映画化というのは、何本くらいになりますか?
『花と蛇』('74)からはじまって、日活だけで15本か20本くらいですね。ほかのいろんなもの合わせたら…、ポルノ以外のものもありますから…30本くらいありますよ。
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−アウトロー文庫をはじめ、先生のご本は相変わらず、どこの書店でもかなりの売り場スペースを占めてます。それはすなわち、いまなお先生の新しいファンが生まれつづけ、先生の新作を待ちわびているということだと思うのですが。
そういうことだろうね。猛烈なファンで23歳って人もいますし、若い人でも古いSMが好きという人がいますね。しかし、SM好きっていっても、いろいろなのがいますよ。この家にだって、よくSMファンがくるでしょ。でも、ハードなヤツとしゃべってると怖いもん、こっちだって。なに言うてんのかわからんもん。だから、ハードな人がこの『紅姉妹』を観たら、文句言いますよ。「ったく、こうしなさいよ!」って、股の間を縄をつないでお尻通すように作って、「そこへ電流通さな」とか、怖いこと言いますよ、きっと! まあ、日本には4人に1人、SMマニアがいるからね(キッパリ)。
−そ、そんなにいますか!?
うむ。ただ、ハードなSM嗜好者ではないと思いますがな。だいたいはこの『紅姉妹』のファンになるような、ソフトなタイプが多いんですよ。
−なるほど。4人に1人ぐらいは潜在的なSM嗜好者がいるというわけですか…自覚してない人たちも含めてということですよね。…あのう、先生は、会うとその人がSMのケがあるかどうか、わかるんですか?
ううん、わからん(アッサリ)。でもあのう、亀井っちゅう助監督には、そのケがありますよ(再びキッパリ)。僕わかったもん。ヤツ、現場でノッておったから!
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