−『ロッタちゃん』上映中、毎週火曜日は託児サービスということですが?
 
あれはうちの奥さんのアイデア。僕の事務所「エデン」の社員なんですが(笑)。彼女の主婦やってる友達がみんな「映画は見たいけど、子育てがある」と言う。しかも、この映画は主婦の方にこそ見てほしいということで、恵比寿を見回すと、すぐ近くにいい託児所があった。しかも、たまたま彼女の友達がそこに子供をあずけていたので(笑)、そのツテからとんとん拍子に決まった。
 
−またも偶然! 実際に利用する人は多いのですか?
 
ええ、1日に5人の枠が、応募から1〜2日で3月まで埋まっちゃった。託児料だけで4千円近くするところを映画料金1800円に全部含めた、無茶苦茶リーズナブルな価格なんで、本当言うと足が出る企画。でも、そこが一番見て欲しい層だったから、この企画自体をトライアルとしてやってみたかった。ただやってみると非常に大変。責任があるから、彼女は毎週火曜日には、朝からずっと恵比寿に行って、事故がないか、チェックしています。だから、あまり数多くは引き受けられない。なぜ映画館が今までやって来なかったかよくわかる。でも大変なだけに、お母さん方に見てもらいたいっていう、われわれ配給の誠意は伝わったと思います。
『はじめてのおつかい』より
ロッタちゃんとママ。
子供を持つ主婦層に見てもらいたかった

−大変な苦労がしのばれます。今回の戦略は「誠意」ですか(笑)?

日本人って時間がない。忙しくて、映画を見る2時間を作るのが大変。だから映画を見る時間は絶対に優雅に過ごしたいわけです。僕も観客の立場のときは、送り手の誠意を感じたい。映画館は、きっちりと映画を楽しませてくれる場所であってほしい。

−その他の仕掛けは?

宣伝費はかなりかけました。雑誌で映画を探すようなアンテナを張っている人だけじゃなく、ファミリー層や年配層に届かないと、この映画はヒットしない。そこに届くには新聞広告やTVスポットをドーンと打たなければならない。新聞広告の、コピーもレイアウトも1回1回全部変えました。各紙新聞ごとに変えたし、打つ時期によって全部変えた。昔の映画の新聞広告は、みんなそういう風にやっていたはずです。

−新聞各紙で変えるものなのですか?

そうです。予告編にも力を入れました。お母さんが語りかけるみたいな音がほとんど入らないもの。劇場って今、予告編がいっぱいかかるでしょ。単館でも7〜8本。どれも、大音響で、言いたいことをひたすら言い続ける。音楽はガンガン流しっ放し。観客の立場で見ると、結局どれがどれだったかわからなくなる。その中で静かな、昔ながらの予告編が流れたら、全然印象が違うから、絶対それが目立つだろうと思った。スタッフみんな、びっくりして説明を求められました。ちゃんとわかってくれたけど。


ロッタちゃんの友達=豚のぬいぐるみ“バムセ”もスウェーデンから直輸入して販売した。
大が4000円、小が2500円。残僅少。江戸木氏は何やらしても優秀なビジネスマン

 
 
 

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