−立ち上がりは?
2年前の年賀状を、自分の子供の写真を使うパターンのパロディで、ロッタがスキーをしている写 真の下に、僕ら夫婦の名前と“ロッタ(5歳)”と入れたものにした。親戚 とか、勘違いして、大騒ぎになりました(笑)。でも、その年賀状を見た恵比須ガーデンシネマの選定の方の一人が、興味を持ってくれたんです。すぐ試写 を見ていただき、そうしたら一発で決まっちゃった。
−チラシやポスターの
奈良美智
さんの絵は前から好きだった?
いや、漠然とこの映画にはクレヨンで描いたようなアートワークが必要だと思っていたところに、雑誌で、奈良さんの絵を見て「これだ」と思った。普段はドイツのケルン在住の方なんですが、たまたまその時は、日本にいらっしゃった。その日本での事務所が、共同提供に参加していただいたリトル・モアと同じ建物にあって、リトル・モアから奈良さんの本が出版されていて、奈良さんとリトル・モアの社長が友達だったという経緯がからんでいます。それで奈良さんにビデオを見ていただき「もし気に入ったら、お願いしたいんです…」って頼んだら、リトル・モアの社長の口添えもあったとは思うけど、承諾してくださった。後から聞いたら、電通 や博報堂なんかからも依頼があって、全部断っている人だっていう…。そんなスゴイ人だってことを、失礼ながら、私は知らなかった(笑)。
これが親戚中を愕然とさせた年賀状
ST「年賀状は実は戦略だったのでしょう?」
江戸木「ちょっとはね(笑)。
でもあくまでも笑いが目的のパロディでした。
こんな映画があることを知らせたかっただけ」
チラシ。
奈良美智のアートワークが大ヒットに貢献
−偶然が重なり合う…強運ですね。
偶然ってこともあるけど、いつも金儲けが先にあって始めるんじゃないんで、そういうところがわかってもらえるからこそ、みんなやってくれるのだと思います。
−宣伝のミラクルヴォイスが共同配給になったのは?
宣伝会社は“月決め価格で、何か月動いて…”という支払いが通例です。当たってもコケてもギャラは同じ。これは宣伝だけじゃありませんが、ヒットしたかどうかの“結果 ”が、日本の映画界では、あまりに問われなさ過ぎなんです。当たっただけの報酬をくれるって方がやりがいがあるじゃないですか。その方がみんな気持ちよく出来るから、結果 だって絶対よくなる。そんなわけでミラクルヴォイスも共同配給に誘ってみたのです。始めのギャラこそ、低いけど、そこを我慢してもらって、ヒットしたら、スタッフ全員がハッピーになる。これは前々から実行したかった。今回やっと、自分がすべてを仕切れるので、実現したのです。
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