−ロッタちゃんは江戸木純らしからぬ作品という気がするのですが?
 
おっしゃるとおり、子供映画って、子供が映画の中で死んで泣かせたり、観客に媚を売って笑わせたり、子供を搾取しているイメージがあって、僕は好きじゃありません。ただ、1996年頃、JCAという会社のビデオ・レーベルの立ち上げを手伝ったときに、北欧の子供映画のクオリティが高いことを聞いていたので、資料に当たってみたんです。そうしたら、子供がハサミでセーターを切っている一枚の写 真(『ロッタちゃん』の1シーン)を見つけたんです。これにピーンと来てビデオを取り寄せたら当たりでした。
 

すべてはこの写真から始まった…
『ロッタちゃん はじめてのおつかい』
−ピーンと来たのは?

だって、あんなちっちゃい子供に、こんな大きなハサミを持たせること自体がおかしいじゃないですか、日本だったら、ありえない。そこがすごいと思った。これは何かあるんじゃないかと思ったんです。

−指摘されればなるほどと思いますが、やはりすごいカンですね。ご覧になってどうでした?

大いに気に入りました。ロッタって、可愛いだけじゃなく、憎たらしいでしょう(笑)。でも、ちゃんと自分の言ったことの責任はとるし、文句にもちゃんとスジが通 っている。そこに、自分自身を投影できる部分があって(笑)…。

−なるほど、江戸木さんの辛口の映画評論って、ロッタちゃんを彷彿とさせるものがある。

そう(笑)。すごく親近感があった。憎たらしい子供なんだけど、でもちゃんと奇跡的なものを持って来て、みんなを幸せにしてくれる。子供映画で、これだけオトシマエを自分でつける映画ってない。お父さんもお母さんもロッタを一人の人間として認めているところが、すごくいいと思った。

−オトシマエ(笑)…「スロウトレイン」でレビューを書いてもらった『戦争のはらわた』と同じですか?

そうそう、サム・ペキンパーもきっと“ロッタ”が好きだと思うね(笑)。ただし、ビデオだけ出して売れる映画じゃないから、育てなきゃいけないと思った。やり方さえ間違えなければ劇場公開でもイケル漠然とした感覚はありましたけど、具体的なプランが浮かぶ前に、とにかく、これは日本に紹介する“べき”映画だと思ったんです。
 
 

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