2008年04月04日

伝説の映画監督・高林陽一と大林宣彦が日本映画界を語る!PART1

去る3/29(土)、自主映画界の草分け的存在である高林陽一監督の最新作「涯てへの旅(はてへのたび)」)の公開を記念して、ポレポレ東中野にて盟友・大林宣彦監督とのトークショーが開催された。8mmカメラを片手に駆け回った青春時代の話から、最新のデジタルビデオへの考察、日本映画界の現状に至るまでその内容は多岐にわたり、非常に熱いものとなった。


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「1カットを1時間も撮れる。これはすごいことだ」


大林――我々の時代はたかがアマチュアだと言われていたけど、我々二人と“いいむらたかし君”という仲間がいて、この三人だけが8mmをアマチュアだとは考えないで、8mmだから出来るものを考えていた。黒澤や小津やジョン・フォードやウィリアム・ワイラーだと言っても、あの人たちが使っているのは35mmのでかいカメラだろ。俺たちは8mmだから木に登りながら撮れるぞ、キャッチボールしながら撮ればボールの主観で撮れるぞって人がやらないことをやった。せっかく小さいカメラを持ってるんだから、このカメラで出来ることをやろうとしてましたね。

数年前、僕が高林さんに最近のデジタルビデオは8mmみたいに簡単に撮影ができるから、これを使って、また個人映画を撮ろうって誘ったんです。それで実際にカメラを回した高林さんは『これはすごいね。1カットを1時間も撮れるよ』って驚いてた。昔使っていた8mmはゼンマイを巻かないと動かなくて、しかも30秒しか撮れなかった。彼は長いカットを撮りたいと、ずっと葛藤してきた人だから『1カット1時間で映画が撮れる。これはすごい』ということになったんだね。デジタルビデオで映画を撮ってる人はいっぱいいるけど、こういう発想でカメラを捉えられる人間はいないでしょうね。


高林――35mmカメラだと、マガジンいっぱいにフィルムを詰めて込んでも1000フィート、1カットは最大でも10分しか撮れませんでした。けれどもデジタルビデオなら、極端に言えばテープ1本60分のワンカット表現も可能になってくる。普通の映画は、だいたい150~200シーンはあるのですが、今日ご覧いただいた作品(「涯てへの旅」)では、わずか16シーンしかありません。そういう作品が作れるのがデジタルビデオのすばらしいところだと思います。そもそも映画とは、機械的な制約と自分の生理的なものとのせめぎ合いです。やりたい事と機械がうまくマッチせず、いつもそのズレとの戦いがあり、それが悩みだった。デジタルビデオには、そういったズレが無いことがすごい。


≫続く


「涯てへの旅」('07)

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<キャスト・スタッフ>
企画・脚本・演出:高林陽一 撮影・編集:としおか たかお 助監督・録音:秋吉弘文 
出演:高城ツヨシ 遠藤久仁子 白石美樹 木元としひろ
<ストーリー>
「僕は確かにこの風景を知っている。この浜を歩き、これと同じ情景を見たことがある・・・」唯一の肉親を捜し、父の生まれたであろう海辺の町へとやってきた男。夢のような、幻のような記憶と現実の交錯する旅の中で、男は生きる術を知る 。


<関連サイト>
「涯てへの旅(はてへのたび)」
http://takabayashiyouichi.web.fc2.com/


ポレポレ東中野
http://www.mmjp.or.jp/pole2/

投稿者 tkurio : 00:52 | コメント (0) | トラックバック (0)

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