2008年03月27日
新作公開直前! 伝説の監督・高林陽一ご本人が8mm、16mm、35mm、デジタルビデオの魅力を解説(独占)!

ポレポレ東中野にて、3/29(土)から上映される「涯てへの旅(はてへのたび)」は、「本陣殺人事件」「金閣寺」などのATG作品で知られる映像作家・高林陽一の新作だ。自主映画の草分け的な存在である彼が、デジタルビデオで手がけた本作の上映にあたり、「Hoga Holic」に8mm、16mm、35mm、デジタルビデオ、それぞれの特性・歴史を解説してくれた。
3/29の初日には、監督・俳優陣の舞台挨拶とともに、盟友ともいえる大林宣彦監督とのトークショーも予定されているので、本作を見る前の、そしてトークショーの予習材料として活用してもらいたい。
≪8mm≫
8㎜映画の歴史は古く、昭和の初めからあった。(勿論、シネコダックという 輸入品のみ)戦後の8㎜ブームは、フジフィルムのマガジンポン「私にも写せます」のCMの時代を頂点に栄え、ビデオカメラの発達にとって変えられるまで、全盛時代であった。
機能としての8㎜は、当時「小型映画」と呼ばれていた通り、フィルム巾は8㎜であっても、何ら他のサイズの映画と変わるところはなく、フィルムを撮影機に入れて、1秒16コマ(には24コマもあった)が、定速の間欠運動による撮影を行い、現像後それを切って接合するという編集のプロセスまで、文字通りの映画であった。ただ、8㎜フィルムにはネガフィルムが無く、すべてポジフィルムの反転映像による映写用フィルムが、唯一本のオリジナルフィルムであるということが最大の特徴であり、次いで言えば、録音用のサウンドトラックが無く、トーキー映画としては、テープ式トーキーを併用するか、さもなくば、編集済みのオリジナルフィルムに磁気コーティングをしてそれをサウンドプロジェクターにかけて録音するという(但し、これは殆ど実用化されないまま終わった)方法で、その点では、画と音が1本のフィルムの上存在する映画とは違って、その意味ではサイレント映画であった。
≪16mm≫
16㎜映画は、その8㎜映画とは違って、フィルムもネガフィルムを使用し、サウンドトラックも持った、そういう意味では35㎜映画となんら変わるところのない「映画」であった。ただ、カメラが35㎜映画のカメラより、はるかに小さく、軽量で、手軽に撮影できたので、主として記録映画に使われた。山岳映画や動物映画などに、世界的にも著名な作品が沢山ある。勿論、劇映画などにも、フィルムコストの安さや、助手人件費の合理化などを目的に使われ、劇場上映用としては、16㎜ネガから、35㎜ネガへのブローアップ(拡大)を使用する方法も、今日、現在でも、スーパー16㎜の開発などで使われていることが多い。
≪35mm≫
35㎜映画は、私たちが映画という場合には、殆ど、この35㎜映画のことを言うのであって、映画の主流媒体といっていいだろう。映画が活動映画と呼ばれた時代から、主として映画産業資本の手によって育てられてきた。今日、私達が映画館で見る映画は、大半以上がこの35㎜フィルムである。機能としては、35㎜巾のフィルムに画と音を撮影、録音して、1本の映画として完成させるもので、テレビの無い時代には大衆娯楽の王者としての地位を長く保って来た。8㎜や、16㎜フィルムと違って、その画面の奥行きの深さ、映画的表現の豊かさなどは、表現媒体として完成された、名作、傑作を多く生み出し、今日に至っている。
≪デジタルビデオ≫
デジタルビデオは、上記の8㎜、16㎜、35㎜のどの映画とも違って、フィルムを使用せず表現する新しい媒体である。今日すべての映像がデジタル化されている時代に当って、生まれるべくして生まれた、映画に似て非なる、映像の表現媒体である。SONYやPanasonicなどの電気製作メーカーが生み出す、小型のデジタルビデオカメラは、往時の8㎜映画全盛時代を思わすような普及率で、多くの人が個人映画に色々な精神世界を表現し始め、その中でも優れた作品は、多くの人の目にとまるようになった。機能としては、フィルムと違ってテープを使用するため、映画用のマガジンによる、フィルム計容量の制限(8㎜100フィート、16㎜400フィート、35㎜1000フィート)というものがなく、極端に言えば、テープ1本60分のワンカット表現も可能な媒体ということである。これはもしかすると映像表現のモンタージュを根底からくつがえす新しい何かを含んでいることと言えるかもしれない。その考えるとこの、ハードの変革による映像の時代は、映像的機能を離れて、次世代の映像表現を生み出す、全く未知の機能なのかもしれない。
監督:高林 陽一(たかばやし よういち)
1931年4月29日生まれ。20代から精力的に実験映画作品を発表、多数の国際映画祭での受賞、日本人初のニューヨーク近代美術館所蔵等、輝かしい成果を残し、30代からATG、松竹、角川といったメジャーで作品を発表してきた伝説の監督。70代になった今、デジタルビデオを使い、映像の新たな領域へと歩き続ける。「涯てへの旅」は、舞台でもなく、映画でもない、ビデオというメディアを、如何にテレビ的呪縛から解き放つのかというテーマに挑んだ。本年春には新作の撮影も開始する。
代表作は、「石ッころ」(イタリア・モンテカティーニ・アマチュア国際映画祭金賞、イタリア・サレルノ国際映画祭銀賞)、「餓鬼草紙」(カンヌ映画祭批評家週間参加、マンハイム国際映画祭グランプリ受賞)「本陣殺人事件」「金閣寺」「雪華葬刺し」(カンヌ国際映画祭監督週間出品)
●初日舞台挨拶
3/29
21:00~
ゲスト:高林陽一監督 高城ツヨシ 白石美樹
●初日オールナイト
3/29
23:00~
トークショー
大林宣彦監督×高林陽一監督
0:00~
高林陽一監督作品オールナイト上映
すばらしい蒸気機関車」「餓鬼草紙」「往生安楽国」
料金 : 当日2,200円、前売2,000円 *豚汁サービス付
<関連サイト>
「涯てへの旅(はてへのたび)」
http://takabayashiyouichi.web.fc2.com/
ポレポレ東中野
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
投稿者 tkurio : 01:18 | コメント (0) | トラックバック (0)



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