2008年03月13日
2008年に結成10年の節目 未来に向け邁進し続ける殺陣俳優集団・剱伎衆かむゐ
映画「キル・ビル Vol.1」('03)への出演&殺陣の振付けで注目を集めた剱伎衆かむゐが今年、結成十周年を迎えた。
岸谷五朗、寺脇康文らが率いる地球ゴージャスへの舞台における殺陣の振付けや、マキノ雅彦(津川雅彦)監督の新作「次郎長三国志」(2008年秋公開予定)への出演&振付け。さらに、日本のみならずイギリス、アメリカでの自主公演を重ねてきた彼らの集大成として、2008年1月に<剱伎衆かむゐ十周年記念公演 “閃”>が開催された。

まず、開幕した舞台に登場したのは胴着姿のかむゐ練習生たち。三味線や琴の調べに合わせ数十人が一同に殺陣を行なう創作パフォーマンス「彩」から公演がスタートした。
限られた舞台のスペース、当たりそうで当たらない絶妙な間隔の中で振るわれる数十本の刀。照明の光に反射して刃がきらめく幻想的な光景の奥から、真打・かむゐの面々が和装に身を包んで登場。ここから演目の趣が一変する。
集団が一同に動く振付けから、4人のメンバーが複数人を相手するオリジナルの殺陣へ。そのテーマは、春夏秋冬と風火地水の融合。
風柔らかくそよぐ春のはなやかさ
荒々しい火炎にも似た夏の激しさ
大地を染めてゆく秋のたおやかさ
微かな水の音すら響く冬の静けさ
自然の動静を体現するメンバーたちの動きに、色鮮やかな布や扇といった小道具の演出が加わる。殺陣の表情が細やかに変化していくさまは実に美しい。
続く第二幕は物語仕立ての「しおん」。
人の心に闇を植えつける魔王と、その暴虐を止めんとする光の戦士たちとの争い。そして、その戦いに巻き込まれてしまった若い男女の悲しき別れ。派手な立ち回りと共に描かれる純粋な愛の物語が、見る者の心を締め付ける。
一切セリフが用いられないため舞台に響くのは効果音や音楽以外、かけ声や息づかい、歌声のみ。しかし、不思議なことに自分の頭の中では目の前の登場人たちが言葉を発していることに気づく。かすかな表情や動きの変化が感情を物語る同パートの楽しみ方は、漫画を読む感覚に近い。
見ごたえ十分の「しおん」終了後、お次はかむゐ公演の箸休め的な役目を持つコメディ劇に突入。
この演目は2人の弟子と、彼らに対して殺陣を振付けるも斬られて凹む師匠によるトリオ漫才。殺陣を素材に、様々な表現を試みる演目構成はかむゐの表現方法の基本だ。リアクションから連想される内容のわかりやすさも影響してか、この演目は海外公演でもウケがよいという。
基礎の刀振りから白刃取り、締めとなる決めの殺陣までの間に客席の空気は目に見えてやわらかくなっていく。「しおん」の緊迫したドラマに集中し、つい前傾姿勢になっていた観客の背筋も、自然に引き出された笑いによってスッとゆるめらたようだ。
シリアスとユーモアという2つの殺陣を披露した後、舞台は大詰めとなる第三幕の演目、「KAMUI」へ。この演目のメインは、「キル・ビル」のテーマ曲に合わせた殺陣。もはや剱伎衆かむゐの“お家芸”と言って差し支えないだろう。
幕が開き、黒スーツに身を固めたかむゐ4人衆が勢ぞろいすると、曲のテンポも相まって会場の空気も色めき立つ。
「キル・ビル Vol.1」に登場した、オーレン石井(ルーシー・リュー)の部下、クレイジー88を連想させるメンバーたち。BGMのリズムに乗って、体にピッタリとフィットしたタイトなスーツ姿から繰り出されるキレのよい殺陣もまた華麗だ。
和装の際の優雅さや猛々しさ、黒スーツ姿のスタイリッシュで軽妙なスタイル。先のシリアスとユーモアの使い分けも含め、殺陣のカラーをシーンに応じて表現し分けるかむゐのエンターテインメント性の高さを改めて感じさせられる公演だった。
最後に、剱伎衆かむゐのリーダーを務める島口哲朗氏よりコメントをいただいた。
「今回、節目の十年を迎えて、改めていろいろな人の助けがあったからこそ駆け続けてこれたという思いでいっぱいです。今後の目標は“チャンバラ、侍=かむゐ”という認知を得ること。縁あって、道場で行っているワークショップでも日本だけでなく海外の方と交流する機会が少なくないんです。そのようなつながりも含めて、日本の伝統文化としての殺陣と、それをベースにして表現する僕らのカラーをうまく融合させて活動の機会を広めていきたいですね。
今年はすでに夏のエディンバラ(イギリス)公演が決まっていて、準備にかかってます。かむゐの殺陣を全世界に打ち出していくことで、世界中の人にチャンバラを文化のひとつとして認識してもらえるところまで高めていく。それが次に目指すべき到達点、そう考えてます。ワールドツアーとワールドスクールを実現させ、練習生やそこから枝分かれした殺陣の同志たち全員を示す名が『かむゐ』となったらうれしいですね」

精力的な活動を続ける剱伎衆かむゐ。バーなどで行われる小規模なイベントから舞台公演、映画の出演にいたるまで、あらゆる場において常に全力で殺陣の魅力をアピールする剱伎衆かむゐ。彼らの剣技にまだ触れていない人は、ぜひ公式サイトや「YouTube」にアクセスして彼らの日記や動画に触れてみてほしい。
(関連サイト)
「剱伎衆かむゐ」公式サイト
http://www.k-kamui.com/
「剱伎衆かむゐ」YouTube動画
http://jp.youtube.com/KamuiSwordMasters
投稿者 hoga01 : 11:04 | コメント (0) | トラックバック (0)



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