2007年12月05日
『エクスクロス 魔境伝説』 TEXT by 水上賢治
“阿鹿里村(あしかりむら)”なるひなびた温泉地にむかった美女2人が、狂気の風習を持つ村人に襲われる。この設定からも本作は、完璧にホラーなのである。でも、観た後の感想は、なぜか気分爽快。なんともいえない痛快な心持ちにされるのだ。それはなぜなのか? 理由は実にシンプル。この作品、ある意味、近年稀に見るほどの活劇であり、徹底的にエンターテインメントしている娯楽作なのである。

(C)2007「XX」製作委員会
はっきり言ってしまうが、この映画、とにかくくだらないギャグと設定も“ありえねぇ~”感じで突っ込みどころ満載。だいたい、足を刈る慣習が残るから“阿鹿里村”という舞台の命名からして、ふざけている。でも、そのくだらなさが不思議と許せて、一緒にいつの間にか楽しめてしまう。なぜかというと、とにかくおバカなギャグ・シーンひとつとっても手抜きなし。どんなくだらないシーンも本気でスタッフとキャストが一丸となって挑んでいることがわかるのだ。
実はB級映画のB級感を出すことは容易いように見えて難しい。ありえない設定やギャグをきっちりと観客に伝わるものにするには、製作者の情熱がある意味、普段以上に必要になる。なぜなら、バカなことを、はずかし半分でやると受け手は引く。それは芸人を見ればわかることだろう。映画も同じ。バカなことtp://xx-movie.coほど実は大真面目にやらないといけないのだ。タランティーノの映画を多くの人が愛するのは、やっぱり彼の本気が映画に移っているからにほかならない。
先日、手がけた深作健太監督に話を聞く機会を得たが、狙ったのは、笑ってどきどきできて、アクションに次ぐアクションで間違いなく楽しめるB級映画とのこと。「最近、映画が品よく“観賞”するものになっている。だから、それを打ち破る徹底した娯楽作を作りたかった。設定からなにから“ありえない”ことばかり、そこにどんどん突っ込みを入れて楽しんでほしい」といっていた。
そう、彼は確信犯。今の日本映画界にあえてB級映画的作品をぶつけたかったのである。この試みはかなりの冒険かもしれない。だが、個人的には非常に面白く受け取った。
(関連リンク)
『エクスクロス 魔境伝説』公式サイト
http://xx-movie.com/index.html
※全国東映系にて公開中
投稿者 mtoda : 00:11 | コメント (0) | トラックバック (0)


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