2007年12月01日

『真・女立喰師列伝』 TEXT by 廣田恵介

正直、最初にタイトルを聞いたときは「まだやるの?」と思った。押井守の立ち食い談義は、前作『立喰師列伝』でお腹いっぱい……という向きは、筆者だけではないはず。

今回の『真・女立喰師列伝』は、押井を含む5人の監督による六篇のオムニバス。うーむ……ますます、満腹感で胃が重くなるんじゃないか? それが杞憂であったと気がつくのは、第三話あたりから。

第三話というと、テレビアニメ『攻殻機動隊』シリーズで一世を風靡した神山健治監督・主演による「学食のマブ」。深夜のファミレスを舞台にしたサスペンスで、無駄のないソリッドな脚本は、押井の確立した“立喰師”の暑苦しいイメージを痛快に打ち破る。つづく「草間のささやき 氷苺の玖実」は、エロチックでみずみずしい。監督はPFF出身の湯浅弘章。その豊かな感性に感心した頃、第五話「歌謡の天使 クレープのマミ」が登板する。

神谷誠監督による「クレープのマミ」。これぞ、知られざる虚構の昭和史を、食文化の変遷で語るという“立喰師”の衣鉢を継ぐ快作だ。それ以上に、若き特撮マンである神谷監督のギャグセンスに舌を巻く。

まだまだ、この国には面白い才能が隠れているのだ!

(関連サイト)
『真・女立喰師列伝』
http://www.deiz.com/onna/

投稿者 mtoda : 00:09 | コメント (0) | トラックバック (0)

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