2007年11月21日
『カーネーション/ROCK LOVE』 TEXT by 水上賢治
すでにキャリア20年を数える、直枝政広を中心としたバンド“カーネーション”。いわゆるミュージシャンズ・ミュージシャンに挙げられる彼らの音楽は玄人好みで、メジャーフィールドでヒット曲を連発しているバンドではない。それゆえ大手メディアで彼らの高い音楽性が語られることはあまりなかったように思う。その中で、本作は“カーネーション”に属するバンドマンの“スピリッツ”を、初めて真摯に伝える作品に思える。

20年以上のキャリアを重ねたミュージシャンともなれば、大なり小なり自分流のスタイルというものが確立されてしかるべきであろう。でも、直枝はいまだに自分の追い求めるサウンドに苦悩し、心が激しく揺らぐ。音楽が何であるのかつかんでいるようで捕らえられない。その姿はミュージシャンというよりも求道者。“音楽”の真理にたどりつかんとする彼の精神がやがてサウンドとなり、詞となり、一曲の楽曲となる、その瞬間を映画は明確にフィルムへと焼き付けている。
注目すべきは手がけた牧野耕一監督。彼は東京スカパラダイスオーケストラのツアーを追った『SMILE~人が人を愛する旅~』をすでに発表している、音楽業界で主に活躍する映像作家だ。でも、彼が音楽業界にいるなしは関係ない。それほど、彼の取材力と表現手法はドキュメンタリー作家としての才能を感じさせる。正直、これほど対象者に飛び込め、なおかつある程度の中立をたもちながら表現できる作家はそうそういない。おそらく、彼は対象者がミュージシャン以外、それこそ一般人でも同じような作品を作り上げる。その才能の今後に注目したい。
(関連リンク)
『カーネーション/ROCK LOVE』公式サイト
http://columbia.jp/rocklove/index.html
『カーネーション』公式サイト
http://www.carnation-web.com/
※11月24日(土)~12月7日(金)まで吉祥寺バウスシアターにてレイトショー
投稿者 hoga01 : 11:30 | コメント (0) | トラックバック (0)


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