2007年09月23日

『Wiz/Out』 TEXT by 水上賢治

あの毎日、人がごった返している渋谷のスクランブル交差点を人っ子一人いない状態に変貌させている本作は、ミステリーにもSF、ラブストーリーにもとれる一風変わった物語。ゴーストタウンと化した渋谷に取り残された大学生たちが、その現実とも虚構ともとれる世界で自身の本性を露にする異色のドラマが展開していく。

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(C)2006 WizOut Project LLP

製作から脚本、監督、編集までを一手に手掛けたのはニューヨークで映画を学んだという、弱冠29歳の新鋭映像作家、園田新。今回が長編処女作となる彼が、随所できらりと才能を光らせている。

正直なところ物語に腑に落ちないところがあったり、役者の演技のテンションに違和感を覚えるシーンがあったり、音楽と映像がマッチしていないように感じるところがあったりと、まだまだ荒削りなのは確か。でも、その中で評価したいのは、彼の映画への取り組みと、観客をしっかりと意識した作品作りだ。

先に触れた無人と化した渋谷の街並みのカットにしろ、試行錯誤の後が見える物語にしろ、そこには彼の“一発観客の度肝を抜いてやろう”という映像作家魂と、原作本ありきではなく自分のイマジネーションが生み出す“オリジナル・ストーリーで勝負したい”という気概が確実に存在する。この心意気と試みは大いに支持したい。

(関連リンク)
『Wiz/Out』公式サイト
http://www.focus-infinity.com/wizout/
※10月6日より渋谷ユーロスペースにてレイトショー

投稿者 tkurio : 21:32 | コメント (0) | トラックバック (0)

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