2007年08月06日

『怪談』 TEXT by kenji mizukami

『リング』シリーズの中田秀夫監督が、日本の夏の風物詩と言ってよい三遊亭円朝作の怪談噺「真景累ヶ淵」を映画化。いわば過去最高の幽霊話の作り手と、現代最強のホラーの達人が顔を合わせたわけだから、“最恐”のホラーを期待せずにはいられない。だが、このように想像を巡らしてしまうと思い切り肩透かしを喰らう。

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(C)2007「怪談」製作委員会

本作をジャンル分けするならば、おそらくラブ・ストーリーが1番しっくりくる。色男の主人公・新吉に、彼を憎んで死んでいった年増女、豊志賀の霊が取り憑く物語は、中田監督らしい一瞬で観客の身も心も凍らせてしまうようなショッキングな演出が随所で登場するのは確か。ただ、今回に関してはそういった恐怖シーンよりも、江戸の情緒を感じさせるセットや着物といった小物に至るまでの艶やかな色使いや、登場人物の感情の揺らぎを丹念に追った構成など、いままでにない細やかな演出が際立つ。

また、黒木瞳、井上真央、麻生久美子、瀬戸朝香ら豪華女優陣を配し、彼女たちの“美”を引き出しているのも大きな特長だ。ここまで女優を美しく撮っている中田作品というのもこれまでにないのでは? そういう意味で、中田監督の新機軸作品と言っていいだろう。

(関連リンク)
『怪談』公式サイト
http://www.kaidan-movie.jp/
※丸の内ピカデリー2ほかにて公開中

投稿者 hoga01 : 23:06 | コメント (0) | トラックバック (0)

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