2007年08月27日

『サッド ヴァケイション』 TEXT by 水上賢治

すでにご存知の人も多いと思うが、青山真治監督の新作となる本作の主人公はデビュー作『Helpless』に登場した、浅野忠信扮する健次。彼が何の因果か捨てられた母親に再会し、復讐を企てる続編的ストーリーが展開していく。

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(C)間宮運送組合 2007

しかも劇中には『EUREKA ユリイカ』の宮﨑あおい扮する梢も登場。そこから察して映画作家、青山真治の集大成的作品とほとんどのメディアが伝えている。それについて無論異論はない。ただ、単に集大成のみで片付けられないのもまた確か。なぜならこの作品で、青山監督は映画作家として新たな領域に着実に踏み出している。

この作品の現場取材に運良く恵まれたが、そこで監督は“女性”と“母性”を描き切りたいことを口にしていた。そのひとつの答えがこの映画にはみごと提示されている。物語の核心に触れるので詳しくは触れられないが、はっきりいってこんなに異端で得体の知れないヒロインは見たことがない。それほど、ここに登場する健次の母親、千代子の存在は強烈。これまでにない、新たな女性像であり女性映画の誕生といっていいかもしれない。

その千代子役を体現する石田えりの放つ存在感も凄すぎ。キャリア最高と言い切りたい彼女の演技も必見だ。

(関連リンク)
『サッド ヴァケイション』公式サイト
http://www.sadvacatip/
※9月8日(土)よりシネマライズほかにて公開

投稿者 tkurio : 23:35 | コメント (0) | トラックバック (1)

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