2007年07月13日
『怪奇大作戦セカンドファイル「ゼウスの銃爪」』 TEXT by Meteor Hoshi
最先端の科学力と豊富な知識を活かし、複雑怪奇な犯罪事件を解明する特殊科学捜査研究所“SRI”。その活躍を描いた円谷プロ製作の特撮サスペンス『怪奇大作戦』('68)を、38年ぶりにリメイクした話題作(全3話)。
旧版で多くの名編を残した故・実相寺昭雄が脚本を手掛けた『昭和幻燈小路』、中田秀夫が監督を務めた『人食い樹』と魅力的なエピソードが揃ったが、個人的に最も楽しめたのが清水崇の演出による本エピソード。
白昼の繁華街で、衣服や所持品はそのままに焼死した女性。人体発火現象の線で捜査するSRIだが、彼女が10年前に起きた大学生カップル惨殺事件の加害者の1人であったことが判明。被害者遺族の怨恨も視野に入れるなか、犯行に使われた凶器として某国が開発したマイクロウェーブ照射兵器“ゼウス”の存在が浮かび上がる。
このゼウス、早い話が人工衛星を介して飛ばしたマイクロ波で人間を焼き殺す、いわば移動する電子レンジみたいもの。そのマイクロウェーブ照射の描写はなかなかで、渦巻いた空からビュビュッと放たれた半透明の“波”が、道路やガードレールをべッコベコに粉砕しながらターゲットとなった人間を執拗に追いかける場面は、『AKIRA』の“衛星兵器SOL対鉄男”を思わせてイイ感じ。
そんなビジュアルに加えて、実に興味深いのが“ゼウス”の標的となる連中のキャラクター設定。これが、88年に起きた“名古屋アベック殺人事件”の犯行グループそのまんまでビックリ! 出所後の身の振り方から、遺族に対するふざけた対応、反省のかけらもない言葉など、何から何まで「新潮45」(03年10月号)に掲載された事件の後追いルポ“反省し「シャバ」に戻った少年少女のそれから”を参考にしているのだ。当時、これを読んで失神するほどの怒りを感じた身としては「このドグサレども! 死ね! 焼けろ! 燃えろ! この地球上に灰も残せねぇくらいに消えちまえ!!」と1人燃えるごとにエキサイティング。
まぁ、物語はそこから“贖罪”とか“法”とか“犯罪被害者の権利”なんかを冷静に問い掛けるようになってて、かなり重たいんすけどね。そんなこんなで、「脚本は誰よ?」と思ったら“異能の怪人”中野貴雄! 『女体渦巻地獄』('92)、『サワリーマン金太郎』('01)などからは決して伺えぬ、彼の意外な一面に触れさせていただきました。
ちなみに、旧版の勝呂誉に代わって三沢京助を演じるのはココリコの田中直樹。ひとまずハマってるけど、その岸田森ライクな髪形と面長な顔からして牧史郎のほうがピッタリだと思う。
(関連リンク)
『怪奇大作戦セカンドファイル』公式サイト
http://www.nhk.or.jp/kaiki/
投稿者 slowtrain : 20:52 | コメント (0) | トラックバック (0)

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