2007年07月18日

『星ひとつの夜』 TEXT by Hiroko Hattori

毎回、良作が誕生するフジテレビの金曜プレステージ枠でも、希代の名脚本家とハリウッドスターがタッグを組んだ本作は絶品だった。

前科のある清掃員と、ネットトレーダーとして成功し若くして億ションの住人となった青年が互いの閉ざした心を開いていく。格差社会といわれる時代あっては、一見、人生の勝者と敗者がはっきりしているように見える。しかし、金はあっても未成熟な若者が、背を丸めて歩く中年男に強く惹かれていく気持ちのバイブレーションは、リアル伝わってきた。

センスに自信がない、とインテリアは白でまとめる。高級酒をそろえては見ても、グラスに氷もいれずなみなみと注いで客に出す。何もいわず飲み干す男を見ながらミネラルウォーターを飲む青年。ただそのワンシーンを見ただけで、その人間の価値観や生き様を垣間見ることができる。セリフの間と呼吸で人物を描写してしまうのはさすが山田太一脚本。

渡辺にとっては3年ぶりのテレビ出演作というが、どんなに強い個性も山田のカラーに染められるところがファンには堪らない。株式売買で大金を稼ぐ息子を非難する母親が登場したり、同僚の清掃員が若者に慕われる中年男に嫉妬をしたり、と見所はつきない。

(関連リンク)
山田太一ドラマスペシャル『星ひとつの夜』
http://wwwz.fujitv.co.jp/hoshiyoru/index2.html

投稿者 hoga01 : 20:48 | コメント (0) | トラックバック (0)

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