Back Number
プロローグ「見ることよりほかに」
第1回 「平壌ドボン」
第2回 「パレスチナの青い空」
第3回 「哀しき熱帯」
第4回 「愛すべきならず者たち」
第5回 「平壌でボッタクリ-崩壊か開放か」
特別編 「水汲みロイちゃん〜アフガニスタン・カブール陥落に思う〜」
第7回 「誰も俺たちを撃たない」
第8回 「NGOは誰のため?」
第9回 「アフガンは笑う」
第10回 「私の中のテロリスト」
番外編 「パレスチナから帰ってきました」
第11回 「ローマの休日」
第12回 「クナシリ漂流」
第13回 「世界でいちばん憂鬱な場所」
第14回 「極寒でも太陽政策・平壌で二日酔い」






2003.3.25 UPDATE



後藤和夫
text by Kazuo Goto



  


大変申し訳ないが続きを書く気になれません。
友人たちに送った通信を転載します


Ж 前回の平壌報告から早2ヶ月がたとうとしている。
申し訳ない。この間、アルゼンチン、チリ、タヒチと、NGO「ピースボート」に乗っていて、3月3日に帰ってきた。
あんなに騒いでいた北朝鮮問題はどこへ。帰ってきたら、イラク一色で、とうとう3月20日、開戦となってしまった。
私は今、とても複雑な気持ちに襲われている。
大変申し訳ないが続きを書く気になれない。
1月に北朝鮮の取材は、帰国後なんとか放送できて、それは、「悪魔の国」=「住んでいる人全部悪魔」とならないように、どんなに酷い体制の中でもそこに住んでいる人は、ごく普通の人間だ、と訴えたつもりだったし、これからもそういう報道をしたいと思っていた。
前回の報告も、そのためのコラムのつもりだったのだが、どうやら「帝国」と言うものには、それは一切通じず、攻撃は始まってしまった。

 これは北朝鮮攻撃に繋がらないのか。もし繋がったとしたら、私が平壌で丁々発止やりあった、あの人たちはどうなるのか。
毎晩焼酎を飲み明かし、とうとう最後には、一般市民のインタビューを許可してくれた(そう、私のねばりに彼らは取材を許してくれたのだった)あの人たちは、アメリカに追従する国の国民である私をどう思うのか。
暗澹たる気持ちになる。

 今俺は、毎刻送られてくるイラク戦争報道を横目でにらみ、この戦争が、北朝鮮戦争に繋がらないために何が出来るのかを考えている。
また、イラク戦争の影で、イスラエルがパレスチナに対して何をやっているのかも気になる。世界の目がイラクに向いている。そんな時に限って、これまでもイスラエルはパレスチナに対して虐殺ともいうべき攻撃を加えてきた。
じっとしていられない。
イラクに出遅れた今、俺はパレスチナを目指す。
というわけで、このコラムも落ち着きがなくてすいません。
今後も北朝鮮に行くと思うし、報告はいろいろたくさんあるがまたということで許してください。
3月3日に帰ってきてから、友人たちに送った通信を転載させていただきます。





「スロウトレイン」に掲載の記事・写真・カット等の無断転載を禁じます。© Works m bros.