果てしなく続く荒野を一人歩く男(浅野忠信)。周りには何も無く、あるのは目の前にある沼のみ。そこに映る自分の姿は、恋人(shan)そっくりな女の姿をしている。男の意識は、かつて女と過ごした時へと遡り、やがて精神と肉体が混濁していく…。
『乱歩地獄』のオープニングを飾る幻想的な悪夢譚を手がけたのは、PVやCM界で活躍する映像ディレクター・竹内スグル。今回が劇場用映画デビューとなった彼は、異質な空気感を得るためアイスランドでロケを敢行。アップとロングの極端な使い分けや陰影を巧みに駆使して、乱歩の“この世ならぬ”世界を創造することに成功している。
 
監督・脚本・撮影:竹内スグル
音楽:池田亮司
出演:浅野忠信、森山開次、shan
 


鎌倉で原因不明の女性変死事件に立ち会うことになった探偵・明智小五郎(浅野忠信)。殺人現場に残されていた和鏡の製造者である齋透(成宮寛貴)のもとを訪れた明智は、鏡作りに没頭する彼になんともいえない不信感を募らせるのだった。やがて、新たな事件が勃発し…。
監督は、『屋根裏の散歩者』(94)、『D坂の殺人事件』(98)など江戸川乱歩作品では馴染み深いベテラン・実相寺昭雄。鏡の反射を巧みに使ったトリッキーな映像と、濃密なエロス描写で怪事件の謎を解き明かしていく。妖艶な容姿で女たちを弄ぶ美青年役、成宮寛貴の狂気の演技は鳥肌モノ。
 
監督:実相寺昭雄
脚本:薩川昭夫
音楽:ジュール・マスネ
衣装:北村道子
出演:成宮寛貴、浅野忠信、市川実日子、中村友也、寺田農
 


戦争で両手両足を失った須永中尉(大森南朋)とその妻・時子(岡元夕紀子)は人里離れた廃墟で暮らしていた。時子は夫を看病する反面、彼への深い愛情と残虐な欲望が入り混じった感情から性的虐待を加えていた。しかし、2人の姿を覗き見る平井太郎(松田龍平)にとって、須永は興味深い“美術品”でしかなかった。やがて時子の行為はエスカレートしていき、衝撃的な結末を迎えることに。
ピンク映画界の鬼才・佐藤寿保監督が誰もが根底にもつ“愛の狂気”を描く異色のラブ・ストーリー。歪んだ愛に溺れる夫婦役を熱演した岡元夕紀子&大森南朋と、人間味を感じさせない謎めいた書生をクールに演じた松田龍平との対比が作品の空虚感を際立たせている。
 
監督:佐藤寿保
脚本:夢野史郎
音楽:大友良英
衣装:北村道子
出演:松田龍平、岡元夕紀子、韓英恵、浅野忠信、大森南朋
 


女優・木下芙蓉(緒川たまき)の運転手を務める柾木愛造(浅野忠信)は、密かに彼女に想いを寄せていた。が、厭人病者でアレルギー性の湿疹に悩む彼には、芙蓉は手の届かぬ高嶺の花のごとき存在。あるとき、思い余った彼は芙蓉に襲い掛かり殺害していまう。念願の芙蓉を手に入れた柾木だったが、彼女は無残にも腐り始めていく…。
若者に絶大な支持を誇る人気漫画家・カネコアツシが、映画界に初参戦。ダークで陰惨な変態的事件が、ポップな色彩と軽快なリズム感、そして妖しげな音楽により、ファニーな物語として紡がれているのが印象深い。浅野忠信、緒川たまきのキレ演技も見事。

 
監督・脚本:カネコアツシ
音楽:サイコアイ、荒牧紘平fromパピーペット
衣装:北村道子
出演:浅野忠信、緒川たまき、田口浩正
 





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