
『超星神グランセイザー』('03-'04)に登場した凶悪生物ボスキートが復活。ボスキートは、正義の勇者『幻星神ジャスティライザー』('04-'05)の力を奪って増殖。そんなボスキート軍団と、前述の2番組&放送中の『超星艦隊セイザーX』が協力して戦う。
3番組・総勢18人の特撮ヒーローが共演した子供向けの映画…と思いきや、大森一樹監督&川北紘一特技監督という「平成ゴジラ」シリーズを立ち上げた2人の作品が、単なる子供映画で終わるはずがない。巨大ミニチュアセットでの、8体ものロボットとキングギドラ級の大怪獣の激突や、『海底軍艦』('63)などで活躍の戦艦「轟天」を怪獣に特攻させたりと、ダイナミックで胸をすく特撮が大人をもクギ付けにする。等身大のヒーローと敵たちも、香港映画バリのワイヤーアクションを織り交ぜ、華麗かつリズミカルな戦いを見せつける。そして、3番組の要素を詰め込みつつも破綻させず、キチンとまとまったドラマに仕立てた脚本と演出が絶妙だ(『〜グランセイザー』からのファンには、やや物足りなさがあるかもしれないが)。
自分たちのできる最大限を尽くして、楽しんでもらう。そんな制作陣の“心意気”がスクリーンからビシバシ伝わる。“子供向け”などという先入観を拭い捨てて、夢と心意気の詰まった70分を堪能してほしい。(大場徹)


監督:大森一樹 脚本:田部俊行 特技監督:川北紘一 出演:高橋良輔、進藤学、三浦涼介、松山まみ、伊阪達也、神崎詩織、井坂俊哉、江口ヒロミ、ロバート・ボールドウィン、赤星昇一郎('05/東宝/70分)

『劇場版超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』オフィシャルサイト |
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誰もが羨む結婚を間近に控えた元OLと、10年連れ添った妻との軋轢に悩む中年男。ひょんなことから出逢った彼らの“セックスから始まる関係”を紡ぐ、ホロ苦い大人のラブストーリー。
ピンク映画として04年に公開されたが、その完成度の高さから今回の一般公開へと繋がったこの映画。恋愛劇としてはベタな題材ながら、「ただ寝てみたかっただけ」「ただ口走ってしまっただけ」「ただ独りではいたくなかっただけ」…そんな自分本位な感情に振り回される主人公達の弱さが、腹立たしいというよりも、むしろ痛々しく愛しい存在に映る。また、離婚寸前の中年男を演じた石川KINの妙演が素晴らしい。妻の苛立ちを受け止めてもやれず、新しい恋にも没頭できない、中年男の諦めにも似た複雑な感情。中盤、男が傷ついた彼女の背中をなでるシーンがある。「いとおしい…」そんな男の呟きが聞こえてきそうな優しい仕草に、カラミより近しい二人の空気感を感じさせた。(戸田美穂)


監督:女池充 脚本:西田直子 出演:向夏 林由美香 石川KIN 佐野和宏 福島拓哉 藍山みなみ('04/国映=新東宝/58分)

『ビタースイート』オフィシャルサイト |
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カルト的な人気を誇る花くまゆうさくの傑作コミックを映画化した異色のゾンビホラー。ゾンビだらけになってしまった都市、東京でサバイバルを繰り広げるハゲのミツオとアフロのフジオの姿を描く。これが初共演となる哀川翔と浅野忠信が、それぞれハゲとアフロのヅラを違和感なく(?)被って、柔術に長けたミツオと彼を師匠のように慕うフジオを好演。彼らが車で人を轢いても、ゾンビの首をへし折っても平然とすっとぼける様は、ユル〜い笑いながも、絶妙な掛け合いにクスリとせずにはいられない。彼らを取り巻く古田新太や曽根晴美といった濃いサブキャラ、青白い顔で人間に噛みつくゾンビたちも独特の世界観を盛り上げていて楽しい!(樋口牧子)


監督・脚本:佐藤佐吉 原作:花くまゆうさく 出演:浅野忠信/哀川翔/奥田恵梨華/松岡日菜/古田新太/曽根晴美/中村靖日/高樹マリア/谷村美月/楳図かずお/森下能幸/橋本さとし/三浦誠己('05/東芝エンタテインメント/103分)

『東京ゾンビ』オフィシャルサイト |