
東京・三軒茶屋を舞台に描かれる、中学生の男女8人・夏物語。誰もが誰かを思いやる―。そんな友情&恋愛回路に思春期パワーが融合。なんともみずみずしい作品だ。
転校が決まった人気者の男子クラスメイトに、“好きな子”の存在が発覚。そこから、彼をとりまく女子たちの心がざわめき始める。秘めた思いに気づく友達、寂しさを隠しきれない幼なじみ、共に過ごした時間をいとおしく思う部活仲間。自転車の2人乗りや校庭での花火大会など、ノスタルジックなディテールが切なさを倍増。まるで少女漫画だわ、と思いつつものめり込んでしまうのは、そこに観る人それぞれの過ぎた“あの日”が重ねられるからだろう。爽やかすぎるきらいはあるが、想い出は美しい方がいい。そんな感傷にひたれる、ザッツ青春ムービーなのだ。(望月麗奈) |
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元カレの存在を忘れられない女性が、部屋の鍵をなくしたことをきっかけに、抑えていた“恋心”に決着をつけようと思い立つ。主人公のささやかな転機となる一夜を描いた小品だ。
監督は、これが劇場映画デビュー作となる山田英治。「スズキ アルト」などを手がけるCMプランナーらしく、監督自らが作詞を担当した劇中歌(LA-PPISCHのMAGUMI率いるスカパンクバンドが熱唱!!!)や、CGアニメーションの挿入など、小ネタ満載なのが楽しい。
しかし、肝心の主人公を演じたつぐみの小悪魔的な魅力が、生かされていないのがやや残念。対して元カレ役の大森南朋は、山田監督がこれまでに手がけた自主映画のほとんどに出演しているだけあって、肩の力が抜けた実にユル〜イ妙演で存在を発揮。キスシーンひとつない恋愛映画にも関わらず、彼の“隣りのお兄さん的”な雰囲気が、映画にそこはかとない色気を醸し出している。(戸田美穂) |
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小学校の修学旅行中に、家族全員を殺された奏子。犯人の死刑が決まった8年後、彼女は犯人の娘・未歩と接触。未歩が夫に暴行されていることを知り、夫の殺害計画を提案する…。2時間ドラマのような話だが、故・野沢尚が原作・脚本を手がけているだけに、暗い過去を持つ女性2人の緻密な心理描写にひきつけられる。また、これが監督2作目となる月野木監督の演出は、最近の日本映画にはないほど細やか。例えば、奏子が旅行先からタクシーで帰るシーンは、暗いトンネル内を繰り返し見せ、彼女の心の暗部を表現。そして、犯人の殺人シーンでは、モノクロ映像の中に被害者の血だけを深紅で表し、事件の悲惨さを強調している。監督の作家性を見てほしい1本だ。(樋口牧子) |