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『デッド・ロイヤル』

高橋 諭治
text by Yuji Takahashi
この“友情”の説得力は『フェイク』を超えている
 落ち目のジャーナリストと荒くれ者のマフィア構成員。そんな出会うはずもなかったふたりの男がめぐり合い、心を通 わせていく。しかし、その背後には警察の思惑が……なんて、ほとんどジョニー・デップ&アル・パチーノの『フェイク』をなぞったようなストーリーだが、これが勝るとも劣らない、いやそれ以上のクライム・ストーリーになっている。ウィリアム・ピーターセン、マイケル・ウィンコットという未公開もやむなしの渋い主演コンビに、紅一点の美女ダイアン・レインが絡む“名より実”のキャスティングも最高だ。

 マフィアはジャーナリストの豊富な知識に好奇心をそそられ、ジャーナリストはマフィアの男気や野性に心打たれる。そんな“自分にないもの”を分かち合おうとするふたりの感情が共鳴していく過程を、細やかかつ自然に見せてくれるキャラクター描写が素晴らしい。なかでもジャーナリストにメルヴィルの『白鯨』を薦められたマフィアが「本って面白えんだなあ」などと子供のようにはしゃぐエピソードは、まさにスルメ級の味わい深さ!

 社会の負け犬どもの孤独を友情が癒していく。こう書くのも気恥ずかしい人間関係が圧倒的な説得力をもって成立していることが、どうしようもなく嬉しくてたまらない力作。

©Buena Vista Home Entertainment,Inc
DEAD LOYAL
監督:ジェフ・セレンターノ
出演:ウィリアム・ピーターセン
   マイケル・ウィンコット
   ダイアン・レイン
1998年 アメリカ
1時間42分
16000円
ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント 
9月20日発売


 

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