映画史におけるイタリアは不思議な国で、フェリーニ、ヴィスコンティといった世界的巨匠を何人も輩出したかと思えば、マカロニ・ウエスタンを始めとする商魂逞しいB級アクションやグロテスクなホラー・ムービーを量産してきた。とにかくギャップが激しい国である。
またイタリアには政治腐敗などを告発した硬派な社会派映画の系譜もあり、そのことがふと頭をよぎった私は、当初はただのエロスものだろうと見なしていた本作を「もしや」と思い直してサンプル・ビデオを再生してみた。その読みはズバリ的中。実際に起こったというレイプ事件に基づくこの映画は、実にシビアな社会派劇であった。
ローマ近郊の若者グループが、旅行中のドイツ人少女ふたりを廃屋に監禁。つい成り行きでこの事件に関わってしまった純朴な少年の悲劇をたどっていく。一味の中で最も悪意のなかった主人公が、いつの間にか事件の張本人になってしまう皮肉なストーリー展開。なかでもシルビアという少女とふたりきりになった少年が、憐れみの心とは裏腹に彼女の体をまさぐるシーンの生々しさ! 異常な集団心理に巻き込まれた少年の矛盾した言動を、これでもかと徹底的にえぐり出した1作。人生の教訓というには、あまりにも非情な結末が用意されている。 |
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