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『バトル・オブ・シリコンバレー』

高橋 諭治
text by Yuji Takahashi
“悪役”ゲイツと、ジョブズ“敗者の美学”
 90年代以降、いわゆるIT革命によって無敵の長期経済成長を続けるアメリカ。本作はベンチャー・ビジネスの中心地シリコンバレーでしのぎを削ったふたりの最重要人物、スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツの歩みをたどったユニークかつ大胆な伝記映画だ。

 アップル社のカリスマとして君臨するジョブズと、ウィンドウズの大成功でパソコン界を制覇したマイクロソフト会長のゲイツ。『ER緊急救命室』のノア・ワイリー(ジョブズ)、ジョン・ヒューズ作品の常連だったアンソニー・マイケル・ホール(ゲイツ)の見事なナリキリ対決も見もののTVムービーである。

 ふたりが変わり者の大学生だった70年代初頭を出発点 に、マッキントッシュで先行したジョブズがゲイツに出し抜かれるまでの20余年間の物語。最終的にジョブズの“敗者の美学”を印象づける作り手の視点が面 白い。狡猾な盗人と決めつけられた“悪役”ゲイツはたまらんだろうが、世界一の大富豪のサクセス・ストーリーなんて判官びいきの観客は見たくないもんね。ちなみに本作の製作後、ジョブズは i-Mac で不死鳥のごとく復活を遂げ、ゲイツは司法省による独禁法訴訟で踏んだり蹴ったり。これに思わずニヤリとしてしまう筆者は、せっせとウィンドウズで原稿を打っていたりする。
PIRATES OF SILICON VALLEY
監督:マーティン・バーク
出演:ノア・ワイリー
   アンソニー・マイケル・ホール 
   ジョーイ・ストロニック
1999年 アメリカ
1時間37分
7月14日レンタル開始
(レンタルのみ)
ワーナー・ホーム・ビデオ


http://www.warnervideo.co.jp/


 

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